2017年01月04日

イセさんの「本」をつくることの意味

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


脚本担当のかめおかゆみこです。

今日は、直接、イセさんにかかわる内容ではありませんが、
よかったらおつきあいください。


昨年(2016年)8月に発行した、物語版「零(zero)に立つ」第1巻

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小冊子作成を専門にあつかう印刷屋さんに発注して、つくりました。

最初に打ち合わせをしたのが、8月上旬でしたから、8月27日の
山形公演まで、1か月を切っていました。

それでもなんとか間に合ったのは、もちろん、この印刷屋さんのプ
ロフェッショナルなお仕事のおかげではありますが、

それだけでなく、私が、以前、7年ほど編集者をやっていた関係で、
本ができあがる工程をすべて知っていたからです。


はじめて、自分が1冊まるまる編集をして、「本」をつくったときの、
緊張とよろこびは忘れられません。

そのころはまだ駆け出しで、校正(誤字を見つけたりなどの編集作
業の一部)くらいしか担当していませんでした。

ところが、そのころ、父が定年退職をして、かねてより約束してい
た、「夫婦2人で、車で気ままに日本縦断旅行」に出かけることに
なりました。

そして、3週間で6000キロ(父がすべて運転)の旅をしてもどっ
てくると、「旅行記を出したい」と言い出したのです。


といっても、自費出版というほど大がかりなものではなく、退職記
念に周囲に配りたいという程度の、まあ、文集のようなものです。

それでも、本は本。判型(本の大きさ)を決め、級数(字の大きさ)
を決め、ページの割り振りをし、写真の指定を入れ、組見本(でき
あがりモデル)をつくり、もちろん校正もし…と、やることは満載。

先輩編集者に助言をもとめながら、100ページほどの「本」を作
り上げたのです。


いま見たら、本当に、そのへんの卒業文集なんかと変わりないよ
うなできばえでしたが、すべて自分でつくりあげたという感激で、
何度も表紙をすりすりしたものです。(笑)

(残念ながら、現物はもう残っていません。みんな配ってしまって、
気がついたら手元に残っていなかったのだそうです)(笑)

現在はもう、職業としての編集者の仕事は、完全にやめていますが、
今回のように、編集の技術が必要なときは、昔とったナントヤラが
役に立つというわけです。


今回の冊子「零(zero)に立つ」は、私にとって、ちょっと不思議
な意味をもっている作品です。

ひとつは、前回も書きましたが、はじめて、ブログ連載した小説だ
ということ。

もともと、山谷一郎さんの『岬を駈ける女』という本があり、この
本をふくめ、イセさんを主人公にした小説が、すべて絶版になって
しまったことから、

もったいないなあ、なんとかして、現在でも読めるかたちにできな
いかなあと、リメークしての連載をはじめ、

さらに、ブログを読まないひとたちにも伝えられるように、紙媒体
のものも用意する必要があるのではないかと思い至り、冊子にす
ることにしたこと。


まあ、なんとも計画性のない話ではあるのですが(笑)、逆にいえば、
自分都合ではなく、必要にみちびかれてつくった、という感じです。

リメークとはいうものの、ひとの原稿をそのまま引用したのではなく、
骨格を借りながら、具体的な描写などは、ほとんど、再創造しました。

さらに、後半になるにつれ、あらたにもとめた資料や、取材で知った
話などから、これまでの本にない内容をもりこめるようになり、

多少なりとも、オリジナルと言える内容になったのではないかという
気もしています。


ただ、今回は、私の本というよりも、やっぱり、「イセさんの本」
いう気がしてならないのです。

イセさんというひとの生きざまを、より多くのひとに伝えるためには、
何らかの媒体が必要です。

今回は、それが文字媒体であり、私がたまたま、「小説を書く」とい
うかたちで、その仲介役をになった、ということです。

まあ、言ってみれば、霊媒みたいなもんです。(ちがうか?!)(笑)


だから、本のかたちにして、最後まで出すことは、そこにかかわっ
た自分の責任のような気持ちでいるのです。

そんなわけで、ちょっと不思議な意味をもつ、と書いたわけです。

イセさんの生きかた・ありかたをとおして、勇気や元気や、何より
も、夢実子さん言うところの「あきらめない精神」を、ひとりでも
多くのひとに、伝えていけたら幸いです。


第2巻・第3巻の予約受付は、現在おこなっている、物語
版「零(zero)に立つ」の感想募集の結果発表日である、
1月15日に開始
したいと思います。

お申し込み方法など、この日までお待ちください。


価格は、第1巻と同様、1200円を予定しています。

(少部数発行につき、どうしてもこのくらいの価格になってしまう
ことを、ご了承ください)

応援していただければ幸いです


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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
詳細は、こちら
----------------------------------------------------------------



物語版「零(zero)に立つ」感想募集中!
募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上
結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
詳細/こちら
お申し込み/ こちら

問い合わせ/info@kamewaza.com

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語り劇「掌編・中川イセの物語」
日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
詳細/こちら
お申し込み/こちら
お問い合わせ/info@kamewaza.com

夢実子の語り劇を上演してみませんか?



※網走以外の、北海道の写真も掲載していきます。
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「ナイタイ高原牧場」 
写真提供/北海道無料写真素材集 DO PHOTOさん
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2017年01月03日

なぜ、今回の感想募集をおこなっているのか。

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」あらすじと、バックナンバーは、こちら


「零(zero)に立つ」感想大募集〜

募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上

結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
詳細/こちら
お申し込み/ こちら
問い合わせ/info@kamewaza.com


今日は、このブログをお読みいただいているあなたに、
「お願い」があります。

いま、物語版「零(zero)に立つ」の感想募集をおこなってい
るところですが、

ぜひ、これをお読みのあなたにも、感想を投稿してい
ただきたいのです。


なぜ、今回の感想募集をおこなっているのか。

もちろん、作者として、読者のかたが、どんなふうに読んで
いただけているかを、知りたいという気持ちはあります。

でも、それ以上に、この物語…、いえ、イセさんの生きかた
を、よりたくさんのかたに知っていただくために、

おちからを貸していただきたいのです。


今回の連載は、私にとってもおおきなチャレンジ
でした。

もともと脚本書きではあり、児童文学をこころざした時期も
ありましたから、文章のこころえはあるつもりです。

でも、こんな一代記というか、おとなに向けた長編小説は、
これまで書いたことがありませんでした。

まして、日刊メルマガと並行して、平日のみだけれども、連
載小説を発信していくというのも、はじめての体験です。


資料とさせていただいた、山谷一郎さん、佐々木悦さん、石
原宏治さんの著作をはじめ、たくさんの資料と、取材に協力
してくださったみなさまには、感謝のほかありません。

イセさんの生きかた、ありかたに、はげまされ、これを伝え
たいという想いが、使命のようにあったのもたしかです。

けれども、何よりもうれしく、ちからになったのは、毎日、
読んでくださる、
読者のかたの存在なんです。


連載は、毎朝、4〜6時くらいのあいだにアップします。

アクセス解析を見ているとわかるのですが、アップした直後
に、ぐぐっとアクセスが伸びるのです。

朝の4〜6時ですよ。もう、作者として、これ以上うれしい
ことがあるでしょうか。

そのことに、どれだけはげまされたかしれません。


そんな早朝から読みにきてくださるということは、きっと、何か
を感じていただけていると思うのです。

その気持ちを、そのまま、感想として書いていただけませんか?


イセさんの生きかたに刺激を受けたかたもいるでしょう。
背中を押された気持ちになったかたもいるでしょう。

実際、そんなコメントを、連載中に、いくつもいただきました。

ぜひ、それを、今回の感想募集で、送っていただきたいのです。

あなたなりに感じた、イセさんを伝えてほしいのです。

それを発表することによって、はげまされたり、勇気をもって
もらえるひとが、必ずいると思うから。


文章の優劣はまったく関係ありません。

長年、文章にかかわってきた人間からすれば、そこにどんな
「想い」があるかのほうが、ずっと大切ですから。


〆切は、1月12日(木)です。15日(日)発表いたします。

ぜひ、投稿をお願いします。お待ちしています

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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
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語り劇「掌編・中川イセの物語」
日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
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2017年01月02日

冊子「零(zero)に立つ」第2巻・第3巻を発行します!

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


脚本担当のかめおかゆみこです。

物語版「零(zero)に立つ」第1巻を、
2016年8月に刊行して、早や4か月あまり。

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あのころは、まだ、第10章あたり(イセさんが卓治と出会
うころ)を書いてました。

イセさん20歳にもなっておらず、物語がいつごろ完結する
のか、自分でもよくわかっていませんでした。(笑)


それでも発行に踏み切ったのは、8月27日の山形・シベ
ールアリーナ公演
に間に合わせたかったから。

このころ、ブログのアクセスがどっと伸びて、たくさんのか
たにごらんいただけていましたが、やはり、紙媒体でないと
…というひとも多いものです。

そんなこんなで、けっこう突貫工事(笑)でしたが、一応、
もと編集者ですので、なんとかかたちにすることができました。


ありがたいことに、お読みいただいたかたからは、即、
「次はいつ出るの?」
と訊いていただけることが多かったです。

これって、作者冥利に尽きることばですよね。

それでも、なかなかすぐに踏み切れなかったのは、少部数
発行のため、制作費が割高になってしまうことでした。

(実は、第1巻の制作費、まだ回収できていません)


それでも今回、第2巻・第3巻の発行を決意したのは、
今年、語り劇「零(zero)に立つ」の首都圏公演をやる!
決めたことと、

1月30日に、東京で、語り劇「掌編・中川イセの物語」
を上演
することが、決まったから。

この日に、みなさんに手渡ししたいと思っています。

またまた突貫工事になりそうですが(汗)、がんばります


しかし、ここでひとつ、モンダイ

実は、今回、先立つものがまったくないんです。

ただ、幸い、お願いする印刷所さんは、冊子完成後にお支
払いすればよいシステムになってます。

ですので、1月30日までに、冊子制作費ぶんのご予約を
いただければ、無事にお支払いができることになります。


あ、そーゆー姑息な理由で、説明しているのではなく、(笑)

  もう、これは自分の使命としてやってることなので、
  何があっても、自分の責任でがんばりまっす!!

冊子のかたちにすることで、イセさんの仕事(志事)を、
もっとたくさんのひとに伝えることができます。

だから、なんとしても発行していきたいんです。


イセさんの生きかたに、たくさんのひとが勇気をもらって
います。

読後の感想に、「『自分も、まだまだやれる』と思った」
と書いてくださるかたが、とても多いんでです。

自分に勝手に限界をもうけて、落ちこんでいたひとが、イ
セさんに刺激を受けて、元気が出ちゃうのですね。

そんな気持ちになれるということを、もっとたくさんのひ
とに知ってもらいたいのです。

そのためには、ブログだけでなく、「冊子」というかたち
にする必要があると思っているのです。


冊子は、全部で、第4巻で完結の予定です。第4巻は、3
月には発行にこぎつけたいと思っています。

第2巻・第3巻の予約受付は、現在おこなっている、物語
版「零(zero)に立つ」の感想募集の結果発表日である、
1月15日に開始
したいと思います。

お申し込み方法など、この日までお待ちください。


価格は、第1巻と同様、1200円を予定しています。

(重ね重ね、少部数発行につき、どうしてもこのくらいの
価格になってしまうことを、ご了承ください)


個人としては告知力もまだまだ弱く、課題は山積みですが、

イセさんの志事にかかわっているのですから、前向きに、
可能性を見つめて、すすんでいきたいと思っています。

応援していただければ幸いです


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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
詳細は、こちら
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物語版「零(zero)に立つ」感想募集中!
募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上
結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
詳細/こちら
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問い合わせ/info@kamewaza.com

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語り劇「掌編・中川イセの物語」
日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
詳細/こちら
お申し込み/こちら
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夢実子の語り劇を上演してみませんか?



※網走以外の、オホーツク地方の写真も掲載していきます。
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「硫黄山」 
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2017年01月01日

1月30日、「掌編・中川イセの物語」を上演します!★今日でイセさん没後10年

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


 あけましておめでとうございます 

今年も、夢実子の「語り劇」プロジェクトブログを、
どうぞよろしくお願いいたします。



ところで、今日は、何の日かご存じですか?

はい。元旦ですね。

たしかに、元旦なんですが、「零(zero)に立つ」をご存じの
あなたは、それだけではないことを知っていますよね?

そうです。今日は、イセさんの命日なんです。
それも、10年目にあたります。

今年は、イセさん没後10周年になるのです。

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その今年、首都圏公演を実現させます!

ただいま、一緒に、公演を企画・準備・実行する仲間を募集
中です!

きたる1月30日(月)夜、今年最初のミーティングを開催します。

その席で、夢実子さんが、
語り劇「掌編・中川イセの物語」を上演
いたします。

これは、本編である語り劇「零(zero)に立つ」(75分)に
もりこみきれなかったエピソードを集めた作品。

長さは、約30分ですが、「イセさんの人間味が伝わって
くる」「イセさんの生きかたにスカッとした」など、好評を
いただき、

おかげさまで、昨年1月の、東京・アポックシアターでの、
ひとり芝居フェスティバルを皮切りに、山形や北海道など
で、すでに、7〜8回上演されています。

こちらをごらんいただいて、ぜひ、イセさんのひととなりや、
その生きざま、そして、夢実子さんの意気込みなどに、ふ
れていただきたいと思うのです。

目の前で繰り広げられるド迫力の演技は、おおきな劇場
での舞台とはまたちがった、感動を味わえますよ

今回、夢実子さんのご厚意で、上演料は無料です。

ただ、私たちはスポンサーがいるわけでも、金銭的な余裕が
あるわけでもありません。

夢実子さんの山形−東京の交通費、東京での宿泊・滞在費
等ということで、若干の参加費を集めさせていただきます。
(2000円)


どうぞ、足をお運びいただき、ぜひ、「掌編」をとおして、
イセさんを知ってください。そして、私たちと

首都圏公演を成功させる応援メンバー
に、なってください。


日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
上演のあと、交流会と、スタッフミーティングをおこない
ます。時間は多少延びる場合もあります。

会場/新宿区内施設
(新宿駅から約10分)
※参加者さんに直接お知らせします。

参加費/2000円(当日集めます)

お申し込み/こちら

お問い合わせ/info@kamewaza.com


感想も、募集しています!

募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上
結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
詳細/こちら
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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
詳細は、こちら
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「屈斜路湖 冬」 
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2016年12月31日

★大募集!★「零(zero)に立つ」感想文(2016.12.31-2017.1.12)

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
※この作品は、もともと、女優・夢実子が演ずる語り劇として書かれたものを、
 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしたものです。

※あらすじと、バックナンバーは、こちら


「零(zero)に立つ」感想大募集〜

募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上

結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
お申し込み/ こちら
問い合わせ/info@kamewaza.com


スペシャル特典

投稿していただいたかた全員に夢実子さんの講話録
 「中川イセのあきらめない精神を語る」
音声データをプレゼント。
 (限定公開のURLをお知らせします)


いただいたすべての感想のなかから、5名のかたに特別プレゼント

 1)1月30日・東京・首都圏公演ミーティング(2000円)に無料ご招待!
 2)冊子「零(zero)に立つ」第1巻をプレゼント
 3)かめおかより北海道土産を進呈
(お届けは、帰省時2月以降になります)

※いわゆる文章の優劣ではなく、
 ご自身の素直な気持ちが表現されているものを優先します
 どうぞ、自由な感想をお寄せください

※いただいた感想は、ブログ上でご紹介させていただくとともに、
 今後、中川イセさんや、語り劇「零(zero)に立つ」「掌編・中川イセの物語」
 を、より多くのひとに知っていただくために活用させていただきます。

ご応募、お待ちしています!!

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※この「イセさん」は、博物館「網走監獄」の事務所にあった、木彫りの「人形」です。(写真からきり抜きました〜)

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【保存版】あらすじ★物語版「零(zero)に立つ」

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
※この作品は、もともと、女優・夢実子が演ずる語り劇として書かれたものを、
 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしたものです。

連載は、2016年12月30日で完結しました。


物語版「零(zero)に立つ」あらすじ

★第1章★ いせよ誕生
明治34年(1901年)、今野安蔵・サダの娘、いせよ(のちの中川イセ)
誕生。サダは、産後の肥立ちが悪く、死を予感。ヤクザものの安蔵にあとを
託すことを怖れ、佐藤コウに里親を頼むと、その年のうちに亡くなった。
    

★第2章★ 差別と貧しさのなかで
イセは佐藤家の里子になった。佐藤家は貧しく、イセはまわりからいじめられ
たり、差別を受けたりするが、コウの愛情、親友・渡辺みよしの存在、自身の
負けず嫌いの性格で、それらをはね返して成長していく。
     10 11 12 13 14 

★第3章★ はじめての家出
10歳で実家に連れもどされイセは、学校にも行けず、仕事に明け暮れる。
11歳の夏、モヨとの口論から、初めての家出。山形の船山先生夫妻の
家で住み込みの女中をし、かわいがられるも、翌春、船山先生に満州へ
の転勤辞令が出て、再び実家にもどることになる。
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25

★第4章★ イセの初恋
またまた家出し、米沢の寮づきの織物工場ではたらく。仲間もできて楽し
い日々。そんな中、隣に住む名家の次男坊・戸田茂雄との初恋も体験。し
かし、安蔵にイセの居場所を知られたことで、イセは実家に帰ることに…。
26 27 28 29 30 31 

★第5章★ 女優志願
実家にいる間、地域巡演で山形にきた松井須磨子(実はにせもの)にあこが
れ、家出して上京する。しかし、たずねた帝国劇場に須磨子はおらず、い
くつかの仕事を転々とするが、結局あきらめて山形にもどることになる。
32 33 34 35 36 37 

★第6章★ 運命の歯車
人絹工場、機織り工場などではたらくうち、かつて実家に出入りしていた
芸人・八重松と再会。乱暴されて子どもを身ごもり、17歳で娘・愛子を
出産。その後、北海道の遊廓への話をもちかけられ、悩んだ末、イセは3
年で500円の借金をし、そのお金で愛子を里子に出すことにする。
38 39 40 41 42 43 44 

★第7章★ 網走まで
大正7年暮れ、イセは北海道に旅立った。ところが途中で虫垂炎から腹
膜炎をおこし、到着した旭川で即入院。借金が倍の1000円となり、
網走の遊廓に売られることに。駅前の島田食堂の夫婦にかわいがられる。
45 46 47 48 49 

★第8章★「お職」になる!
自転車を借りて町内を乗り回したり、柔道場に通ったりしたイセだが、娼
妓になると今度は、囲碁や将棋をおぼえ、お客を楽しませる工夫をした。
また酒に強く、何度も杯を重ね、そこから収益をあげることも考えた。
51 52 53 54 55 56 57 58 59

★第9章★「小梅」の死
イセは、娼妓に乱暴した客を一本背負いで投げ飛ばすなどで、娼妓たちの
信頼を勝ち得ていった。しかし一方で、妹ぶんの「小梅」が、失恋を苦に
自死。小梅の死をきっかけに、娼妓みんなでちからをあわせることを誓う。
60 61 62 63 64 65 66 

★第10章★中川卓治という男
イセは、柔道場で出会った中川卓治と親しくなり、急速に気持ちが近づい
ていく。卓治の妹・タマは、2人の交際をはげしく反対するが、卓治はイ
セに求婚し、イセは身請けされて、ついに遊廓を出る。
67 68 69 70 71 

★第11章★樺太にて
中川家よりもイセを選んだ卓治。2人は樺太にわたり、仕事を見つけて
はたらき、暮らしを立てた。卓治は、酒がもとでけんかをして大けがを
したりもするが、ついに茂市の許しが出て、網走に帰れることになる。
72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 

★第12章★岬の日々
網走の能取岬にある中川牧場の管理をまかされたイセたち。その雄大な
景色にイセは魅了される。乗馬も覚え、少しずつ馬との暮らしに親しみ、冬
になれば、流氷の美しさに見とれる。平和な日々がすぎていく。
85 86 87 88 89 90 

★第13章★茂市の死
卓治の父・茂市が、娘婿・東条貞の選挙資金調達で14万円の借金を残
して死去。イセと卓治はその借金を引き受ける。拓銀に50年割賦(ロー
ン)を頼むため、イセは札幌本店に出向き、交渉を成立させる。
91 92 93 94 95 96 97 98 99

★第14章★戦況のなかで
借金返済のため、卓治とイセは、馬喰となった。また、念願の愛子をひき
とり、やがて、養子の清と結婚させる。しかし、清は、海軍に招集され、戦死。
100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 
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★第15章★米軍上陸?!
1945年7月、網走空襲。米軍が上陸するかも…という緊迫感のなか、イセ
は自分がおとりになるから、みんなは逃げろと宣言し、町長公宅に泊まり込む。
しかし米軍は上陸せず、8月15日、終戦をむかえる。
113 114 115 116 117

★第16章★初の女性市議会議員誕生
1947年4月、網走が市政変更になったのを受け、初の市議会議員選挙。女
性参政権ができて最初の選挙となり、イセはまわりにおされて立候補。30議
席に83人の立候補だったが、下から3番目で当選。最初の街頭演説の日、
イセは、踏み切りの前に立ち、遊廓時代に亡くなった小梅に演説を聴かせる。
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★第17章★イセ、奔走す!
議員1期めから2期目へ。家の前でのラジオ体操。保育園建設。そして、日
本鋼管とかけあっての、網走での水道敷設。イセは精力的に動きつづけた。
なかでも、一番力を注いだのは、人権擁護の活動だった。遊廓まがいの商売
をしている店に乗り込み、商売替えさせたり、法務局に通告したりした。
123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133

★第18章★塀の向こう
人権擁護委員のイセのもとに、網走刑務所から、受刑者に話をしてほしいと
依頼がきた。イセは、北海道の道路をつくるために、たくさんの受刑者がい
のちを落としたことを知り、感謝する。そして、みずからの生い立ちを語る
と、受刑者たちは涙ながらにイセの話を聴いた。
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★第19章★駆け抜ける日々
自民党道連の婦人部長に抜擢されたイセは、中央の政治家とのつながりも
つくる。そんななか、夫・卓治と、孫の尋仁が次々に亡くなる。74歳で議員
引退後も、保育園創設、博物館「網走監獄」の理事長と活躍をつづける。阪
神淡路大震災のあとは、修学旅行の生徒たちを歓待もした。
139 140 141 142 143 144 145 146

★第20章★一世紀を生きて
イセは、その数奇な運命が話題となり、メディアにとりあげられるようにな
る。100歳を超えてもその意気はおとろえなかったが、2004年、脳梗
塞でたおれ、2年あまりの闘病の末、2007年1月1日深夜、その生涯を
終える。魂はいま、愛する能取岬のうえを飛んでいるだろうか。
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ご愛読ありがとうございました


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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
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詳細は、こちら
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「900草原牧場」 
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2016年12月30日

【最終回】物語版「零(zero)に立つ」第20章 一世紀を生きて(9)/通巻155話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
※この作品は、もともと、女優・夢実子が演ずる語り劇として書かれたものを、
 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしているものです。

※これまでのあらすじと、バックナンバーは、こちら


イセが亡くなったという知らせは、新聞・テレビなどで、一
斉に報じられた。

多くのひとびとが、数奇な運命を生きた、このひとりの女性
の死を悼んだ。

網走市は、1月20日に、市民葬をとりおこなうことを決めた。

その日、天井まで届きそうなほどの花が、祭壇のまわりを埋
めつくした。おとずれた市民の数は、800人にもおよんだ。

イセが市議会議員をつとめていた時代、網走市長であった安
藤哲郎は、イセについて、こんなことばを残している。

「どん底から這いあがり、逆境を克服し、その強靭な精神力
での“天下御免”の活躍は、庶民の味方として、また女性の
味方としても、こんなに頼もしい人はおりません」

議員時代、イセと親交のあった、網走市議会議長(当時)の
田村直美は、

「男まさりのきっぷで、時の首相や幹事長にズケズケものを
言った」と、当時をしのびながら述懐した。

そのほか、イセを評することばをいくつか紹介しておこう。

・「北海道を開拓した北の女性の代表」
               (元北海道知事の横路孝弘)

・「覚者としての人の味が、一種迫力となって伝わってくる」
(雑誌『北海道味と旅』元編集長・山本祥子)

・「自分が何者で、何をすべきかを知っている顔」(司馬遼太郎)

(※ここまでの記述は、ウィキペディアを参照しました)


能取岬ドローンから.png

いま、網走の小高い丘にある墓苑に、イセは眠っている。

そこからは、イセの愛した能取岬を、直接には、のぞむ
ことはできない。

しかし、もはや肉体のしばりをときはなたれたイセの魂は、
かるがると空の高みを駈け、岬のうえをどこまでも飛んで
いくだろう。


イセの娘・愛子は、その数年後、90歳を手前にこの世を
去った。

ちなみに、イセの実父、今野安蔵は、先妻とのあいだにで
きた娘に引き取られて、晩年は、妻モヨとともに、網走の
近くの町に住み、亡くなった。

イセの直接の血は絶えたが、イセを生み出した安蔵の血
は残り、その血のどこかに、「イセ」は受け継がれていくの
かもしれない。

今日も、能取岬の緑の大地のうえを、風が吹き抜けていく。

眼下に広がるオホーツクの海は、どこまでも青い。

                          (完)


2015年8月、語り劇「零(zero)に立つ」網走初演の際
におとずれた、能取岬の光景を、ドローンにて撮影しま
した。ぜひごらんください。イセさんの視点を、ともにたどれ
るかもしれません。(操縦・撮影・動画作成/アキラ)
https://youtu.be/dCXkAw2DkKw


お知らせ
「零(zero)に立つ」感想文を募集します!
詳細は、明日の、このブログにて!

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2016年12月29日

物語版「零(zero)に立つ」第20章 一世紀を生きて(8)/通巻154話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
※この作品は、もともと、女優・夢実子が演ずる語り劇として書かれたものを、
 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしているものです。

※これまでのあらすじと、バックナンバーは、こちら


脳溢血であった。

すぐに病院に運ばれ、なんとか一命はとりとめたが、意識は
もどらなかった。

たおれて以来、イセは、ただ昏々と眠りつづけた。

…いや、はたして本当にそうであったろうか。

これは、憶測だけれども、ひとつの可能性として。

全身がまったく動かないために、意識がないと思われてしま
う状態のことを、「ロックトインシンドローム」という。

全身がまひするので、からだのどこも動かすことができない。

声はもちろん出ない。くちびるを動かすことさえもできない。

まわりの話は完全に聴こえているが、それに反応することが
できない。

目も見えているが、まばたきさえできないので、意思を伝え
ることはほぼ不可能になる。

そうしたひとたちが、いわゆる「植物状態」と呼ばれるひと
たちのなかにも、おおぜいいることが、最近の研究によって
わかってきた。

そうしたひとたちの意識回復のためのサイトも存在する。
(「白雪姫プロジェクト」)

イセが、そうでなかったとは、誰にも言うことはできない。

ともあれ、親戚を中心に、まわりのひとたちは、交代で看病
についた。

そうして、2004年が暮れ、回復のきざしも見ないまま、
2005年も暮れていった。

そのかん、イセは、何度か容態が悪化することがあった。

あるときなどは危篤となり、葬儀の日取りを決めたほう
がいいのではないか、という状態にまでなった。

しかし、イセは、そのときでさえ、奇跡のように持ち直した。

まわりのものたちは、イセの強靱な体力と気力に感嘆した。

そうして、2006年も暮れようとするとき、ふたたび容態が
悪化した。

親戚やまわりのものたちが集められたが、小康状態にな
ったこともあり、

「ばっちゃん、今回も大丈夫だろう」

年末年始ということもあって、みなは、帰っていった。

正月をともにむかえたのは、宗治の娘、和子であった。

イセは、初日の出をおがむこともなく、眠りつづけていた。

元旦の日はゆっくりと暮れていき、やがて夜になった。

静かな夜だった。

ふと、時計を見ると、まもなく23時になろうとしていた。

2007年も、このまま、こんなふうに過ぎていくのだろ
うか。

よろこんでもかなしんでも、ときは刻々と過ぎていく。

そのときの流れのなかに、ひとは生まれ、死んでいく。

誰ひとり、その流れから、はずれることはできない。

元旦。1月1日。1が並ぶ日。

(ばあちゃん、一番が好きだったねえ…)

和子が、何気なく、そう思ったときである。

イセの息が、ふっと止まった。

(え…?)

和子は、どきっとした。

「ばあちゃん…? ばあちゃん…!」

声をかけたが、イセは、もう、息をしていなかった。

和子は、あわてて、医師を呼びに病室を飛び出した。

1月1日22時55分。臨終。

「1月1日かあ。さすがは、中川のばっちゃんだ」

知らせを受け、駆けつけたものたちがつぶやいた。

105歳の大往生であった。



(明日、最終回となります)



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「知床峠」 
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2016年12月28日

物語版「零(zero)に立つ」第20章 一世紀を生きて(7)/通巻153話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
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 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしているものです。

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イセは、昔から、困ったひとを見ると、つい援助せずにはい
られないたちである。

周囲のものが、「ほっとくと、お財布がからっぽになる」と
危惧してしまうほどだった。

収入がふえても、それで豪華な生活をしたいとは思わなかっ
た。だから、イセの生活は、ずっと質素なままだった。

また、その豪放磊落さで、男まさりのイメージが先行するイ
セではあるが、けっしてがさつであったわけではない。

「私のなかの歴史」を聴き書きした、北海道新聞の記者、石
原は、「身ぎれいにしていて、いつでも女性らしさを忘れな
いひとでしたね」と、述懐する。

「いせの里」で、イセをしたう職員や、元気にあやかろうと
する入居者たちに囲まれて暮らす日々を、イセは静かに楽し
んでいた。

もっとも、完全に「引退」できたわけではない。

イセに相談ごとを持ちかけるものは、相変わらず引きも切ら
なかったし、イセ自身も夢をもっていた。

それは、「いせの里」の近くに、高齢者のための施設を、も
うひとつつくることだった。

「ダンスホールのある施設をつくりたいんだよ。踊れば、元
気が出るよ。毎日が生き生きするよ。そんなホームがあって
いいじゃないか」

周囲のものたちは、感嘆しつつも、なかばあきれた。そんな
イセにたいして、

「ばっちゃん、無理ですよ。お金はどうするんですか」

などと、意見を言おうものなら、イセは、しれっとこたえた
ものだ。

「わたすに意見を言いたいなら、3ケタ(100歳)になって
からにしてもらいたいね」

…もはや、口出しするものはいなくなったという。

2004年、イセは、103歳になった。

8月26日の103歳の誕生日には、たくさんのひとが集ま
って、お祝いをした。

その約1か月前の、「いせの里」の「いせの里祭」で、イセの
写真が撮られた。それが、ポストカードとして配られた。

P_20141207_135541_NT.jpg

(「いせの里」さんで、現物を撮影させていただいたため、
左がわの部分に、反射の光が入っています)

おおきな花束も贈られた。

イセは、いつも以上にごきげんで、満面の笑みをはじけさせた。

「ばっちゃん、シャンパン、いかがですか?」

このところやめていた酒であったが、イセは上機嫌で、そ
れも飲み干した。

楽しい時間は、この先まだまだつづくかと思われた。

その2日後、イセは、たおれた。


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2016年12月27日

物語版「零(zero)に立つ」第20章 一世紀を生きて(6)/通巻152話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
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イセは、年齢を、いつも「数え」で数えていたから、2000
年は、イセにとって、100歳ということになる。

この年、博物館「網走監獄」保存財団では、長年使っていた
財団の車を、買い替えることにしていた。

ふだん、イセが乗っている車であることから、職員がイセに
たずねた。

「何か、希望の番号はありますか?」

「番号って、好きにつけられるものなのかい?」

「はい。お好きな番号を」

「それじゃ、100番がいいね」

子どものころから、なんでも1番が好きだった。その気持ち
は、いくつになっても変わらない。

1番ではなく、100番にしたのは、100歳になった記念とい
うことがあるのだろう。

しかし、車が納車されて、ほどなくして、イセは言った。

「わたすは、今年で、理事長をおりるからね」

職員たちはあわてた。寝耳に水の話だったからだ。

たしかに、寄る年波で、さすがのイセも、車椅子や杖をてば
なせなくなってきてはいた。

とはいえ、思考力や明晰さに変わりはなく、博物館に大切な
お客さまがくれば、みずから案内に出たし、講演の依頼を受
ければ引き受けて、出かけてもいた。

何か事件があったというわけでもない。当然、職員たちは引
き止めたが、いったん決めたイセの意思はゆるがない。

結局、理事長はおりて、「名誉会長」に就任することになった。

イセを乗せることのなくなった財団の車は、それ以降も、
「100番」のまま使われつづけている。

2001年、イセは、100歳になった。

敬老の日には、大場脩網走市長(当時)から花束が贈られ、
小泉純一郎首相(当時)からは、記念品と褒章を贈られている。

イセは、みずから設立にかかわり、理事長にもなった「いせ
の里」で暮らすようになっていた。

その理事長職も、このころ、退任している。

しかし、長年呼ばれ慣れた呼称であるせいだろうか。

「中川さん」と呼ばれても振り返ることをせず、「理事長」と
呼ぶと、振り向いたという、エピソードが残っている。

ちなみに、この「いせの里」には、娘の愛子も一緒に入って
いた。

愛子は、1985年に、再婚した夫が死去したのにともない、
イセのもとに通って、講演などにもつきそうようになっていた。

17歳で愛子を産んだイセだが、2001年には、その愛子
も83歳。

14年間、離ればなれに暮らした親子が、こころをかよわす
ためには、それなりの年月を必要とせざるを得なかった。

しかし、それもここにきて、ようやく実を結びはじめている
のかもしれない。

2002年、卓治の息子、宗治が亡くなった。脳卒中だった。
享年85歳。

宗治は、能取岬の牧場をつぎ、結婚して、2人の娘をもうけた。

娘のひとり、和子は、専門学校時代を東京で過ごしたが、上
京したイセに、永田町の議員会館に連れていってもらったこ
とがある。

歴代の首相とも親交のあったイセのこと、後輩にあたる政治
家たちのなかには、イセをしたい、頼るものも少なくなかった。

「網走のばっちゃんが来た」

「ばっちゃん、お元気ですか?」

イセが行くと、まわりから、絶えずそんな声がかかる。

あるときのこと。和子が、イセについていくと、そこは、ある
大臣の部屋だった。

大臣は、たまたま席をはずしていた。

案内した議員が、呼んでくると言って、席を立った。

しばしのあいだ、部屋には、イセと和子の二人きりになった。

イセが、にやっと笑って言った。

「せっかくだから、椅子にすわってごらんよ」

りっぱな背もたれとひじかけのついた、大臣の椅子である。

「え? いいの?」

「いいんだ、かまやしないよ」

イセは、愉快そうに笑った。

また、博物館「網走監獄」理事長時代の話であるが、やはり、
職員を連れて、議員会館に来たときのこと。

「ここにくると、いつも食べるものがあるんだ。あれはほか
では食べられないね。ごちそうしてやる」

イセのことばに、職員はわくわくした。東京で、ほかでは食
べられないものといったら、築地の寿司とか?!

そんな期待でいっぱいの、職員の前に運ばれてきたのは、
ただの、さばの味噌煮定食であった。

「ここのさば味噌煮定食は、最高だね。これを食べるのが、
いつも楽しみなんだ」

うまそうにたいらげるイセを前に、職員は愕然とし、返す
言葉もなかった。

そんなエピソードも残っている。


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