2017年03月26日

痛快エピソード★「零(zero)に立つ」第4巻のみどころ

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
語り劇演者・夢実子


脚本担当のかめおかゆみこです。

物語版「零(zero)に立つ」。あらすじは、こちらに紹介してあります
が、冊子版の「零(zero)に立つ」の、各巻のみどころもご紹介して
いきます。

★各巻のみどころ
第1巻 第2巻 第3巻


本日は第4巻について。※あらすじは、こちら

(第4巻は、まだかたちになっていないので、画像はありません)


何度か書いてきていますが、イセさんの半生を描いた作品
には、金子きみ「雪と風と青い天」、佐々木悦「あぐらばあち
ゃん」、山谷一郎「岬を駈ける女」があります。

この「零(zero)に立つ」は、それらの本を参考にしています。

ただ、いずれの本も、すでに30年以上前の作品で、描かれ
ているのも、イセさんの人生の途中までで、すでに絶版とな
り、著者のかたがたもお亡くなりになっています。

山谷一郎さんの作品が一番あたらしいのですが、それでも、
イセさんが、まだ40代のところで終わっています。

これは、このあとイセさんが網走市議会議員になったこと
で、政治ネタがふえることと、そもそもが、それまでのぶ
んで、1冊の分量に充分に達していたことが原因でしょう。

そのあとの資料は、おもに、石原宏治・北海道新聞の記者
さんが、夕刊に連載した「私の歴史(中川イセ編)」と、
天童市の「天童が生んだ女性展」の展示会資料になります。

また、山谷一郎さんの「網走刑務所秘話」も、ここでは、
参考にさせていただきました。

さらに、2014年12月以降、何度か網走で取材をしてお
り、そのときうかがったお話ももりこんでいます。

第4巻は、つまり、これまでの3冊では紹介されていない逸
話だけを掲載していることが、
ある意味、一番のみどころ
言えるかもしれません。


第4巻は、おおきなヤマというよりも、イセさんらしさに
あふれた、さまざまなエピソードがつめこまれています。

そのなかでも、網走の上下水道をとおすための話が、実に
痛快です。このエピソード1本で、掌編が書けるくらい、おも
しろいです。

時代もあったのでしょうが、いやあ、こんなこと(物語を読
んでくださいね〜)
が実現してしまうのだから、人間ってお
もしろいなあと想うのです。

イセさんが亡くなって、今年で10年。

イセさんのことを知らない世代もふえていますが、網走の
ひとたちは、水道を使うかぎり、イセさん(とその時代のひ
とたち)の恩恵を受けていることになるわけです。


博物館「網走監獄」保存財団時代のお話は、ほぼ取材で
得た内容です。ですから、この部分は、かなりオリジナリテ
ィーが高いです。

私は、これまで、博物館「網走監獄」を、何度も見学してい
ますが、ここは内容が本当に充実しています。半日くらい
かけて、じっくり見られることをオススメしたいほど。

なかでも、館内で放映されている、網走監獄と囚人の歴史
のショートムービーは、何度見てもこころを打たれます。

イセさんも、「北海道の道をつくってくれたのは、囚人のひ
とたちだ。囚人のひとたちに、感謝しなければならない」と、
言っていたそうです。


いまは、出版された本が、どんどん絶版になる時代です。
山谷さんの「岬を駈ける女」も、ほぼ入手不可能です。

イセさんの記録を残すことは、あの時代を生きたひと
たちの記録を残すこと
にもなります。

今回、自主制作で少部数とはいえ、イセさんの生涯を、
最期まで追いかけた冊子をまとめることができたこと
に、ささやかな自負をいだいています。

(第4巻は、まだかたちになっていませんが)

イセさんの「あきらめない精神」が、この冊子をとお
して、ひとりでも多くのかたのこころに残り、生きる
ちからになってもらえたら、本当にうれしいです。


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※ご家族やお友だちからプレゼントされたかたも対象となります。
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冊子「零(zero)に立つ」の各巻のあらすじをご紹介。巻数をクリック!
              
第1巻 イセさん誕生〜17歳で北海道の遊廓にわたるまで
第2巻 遊廓での「活躍」・卓治との出会い・樺太での生活
第3巻 2億8千万の借金と岬の日々・身を捨てて・終戦
第4巻 (4月末発行予定)最終巻となります。
              
各巻1200円/送料・冊数にかかわらず200円/10冊以上で送料無料
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ブログ連載「零(zero)に立つ」にいただいた感想
01★あきらめていた夢に挑戦しました!
02★この突き抜けた底力!
03★亡父を見直すことができました
04★愛に根差して行動する勇気
05★心の重荷がようやく取り除かれました。
06★自分自身を精一杯生きること
07★負けない、負けない、負けない。
08★自ら決めて行動しなさい
09★生きざまを見守って下さい。
10★覚悟を決めて、捨て身になる
11★「どうせ」の破壊力に対する「希望」の力


ご質問をいただきました。
「岬を駈ける女」ほか、イセさんをあつかった、これまでの本と、
「零(zero)に立つ」との関係について



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※網走以外の、北海道の写真も掲載していきます。
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「エゾシマリス(銀泉台)」 
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自分のことしか考えてなかった★第2巻を振り返って想うこと

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
語り劇演者・夢実子


脚本担当のかめおかゆみこです。

昨日の「よゆうあるじゃん!」★第1巻を振り返って考えたこと
けっこう反響があって、アクセスが伸びました。感謝です!

調子に乗って…というわけではありませんが、続編です。(笑)

一昨日、第2巻のみどころについて書きましたが、
今朝の自分のメルマガで、この記事をもとに考えたことを、
書きました。

転載しますね。(改行は変えてあります)


今日のフォーカスチェンジ♪ 第4894号

自分のことしか考えてなかった

自分のことしか考えてないひとって、好感もてますか?
フツー、もてませんよね♪

ところが、ひとは、苦しいときは、
自分のことしか考えられなくなるのです。

なぜ、こんな苦しい想いをしなきゃならないのか。
なぜ、私ばかりが…。
なぜ、誰もわかってくれないのか。

…そんなふうにね。

その気持ちは、わからなくもありません。
私自身がさんざん通ってきた道ですから。汗

本当に、いま振り返って想います。
そのころの私、自分のことしか考えてなかったなあ、って。

もちろん、気持ちのよゆうがなかった、ということはあります。

だけど、もしかしたら、逆の発想もあったかもしれません。
気持ちのよゆうがあるから、ひとのことも考えられるのではなく、
ひとのことも考えるから、気持ちのよゆうができるんだって。

「零(zero)に立つ」の主人公・中川イセさんは、
17歳で遊廓に入ります。

そして、一日でも早く借金を返すために、
さまざまな工夫をします。

一番こころがけたことは、お客によろこんでもらうことです。

将棋が好きな客には、手合わせをお願いし、
バイオリンをやっていると聴けば、自分も手習いし、
酒好きな客とは、がっつり飲みかわしました。

(イセさんは、一升飲んでも酔わない酒豪でした)(笑)

だから、わずか4か月で、お店のトップになれたのでしょう。

また、遊廓の仲間たちへのこころづかいも忘れませんでした。
悩みごとを聴いてやったり、お客を世話してやったり。

「みんなで助け合って、借金を返して、ここを出るんだ」
そう言って、はげましたのです。

ここね、ポイントは、
「自分を犠牲にした」のではないということ。

お客もよろこび、仲間もよろこび、楼主もよろこぶ。
みんなのよろこびを考えて行動したから、結果的に
自分も、わずか3年で借金を返して、自由の身になれたのです。

(そのあとも、波瀾万丈の日々はつづくのですが!)

苦しい、つらいと想うのは、もしかしたら、
自分のことばかり考えているためかもしれません。

自分を、被害者、犠牲者だと想ってしまっている
せいかもしれません。

そんなときは、ためしに、目の前のひとにたいして、

このひとのよろこびは、何だろう? 
自分は何をあたえられるだろう?

そんな視点に立ってみるのも、ひとつの方法かもしれません。

見返りを期待してではなくてね♪

それが、結果的に、自分のこころを解放してくれる
きっかけになるかもしれません。

こころが解放されれば、次なるアクションに
踏み出すこともできますからね♪

お楽しみさま!


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第1巻 イセさん誕生〜17歳で北海道の遊廓にわたるまで
第2巻 遊廓での「活躍」・卓治との出会い・樺太での生活
第3巻 2億8千万の借金と岬の日々・身を捨てて・終戦
第4巻 (4月末発行予定)最終巻となります。
              
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ブログ連載「零(zero)に立つ」にいただいた感想
01★あきらめていた夢に挑戦しました!
02★この突き抜けた底力!
03★亡父を見直すことができました
04★愛に根差して行動する勇気
05★心の重荷がようやく取り除かれました。
06★自分自身を精一杯生きること
07★負けない、負けない、負けない。
08★自ら決めて行動しなさい
09★生きざまを見守って下さい。
10★覚悟を決めて、捨て身になる
11★「どうせ」の破壊力に対する「希望」の力


ご質問をいただきました。
「岬を駈ける女」ほか、イセさんをあつかった、これまでの本と、
「零(zero)に立つ」との関係について



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「層雲峡 流星の滝」 
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2017年03月25日

「思いこみ」のちから★「零(zero)に立つ」第3巻のみどころ

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
語り劇演者・夢実子


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物語版「零(zero)に立つ」。あらすじは、こちらに紹介してあります
が、冊子版の「零(zero)に立つ」の、各巻のみどころもご紹介して
いきます。

第1巻のみどころは、こちら! 第2巻は、こちら! 


本日は第3巻について。※あらすじは、こちら

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第3巻にも、おおきく、ふたつのヤマがあります。

ひとつめは、なんといっても、夫・卓治の父、茂市が遺した、
14万円の借金を返したこと。※いまなら、約2億8千万円。

ある意味、イセさんの人生って、借金を返しつづける人生だ
ったような気がします。…って書くと、なんだか暗い感じが
しますが。(笑)

最初は、17歳のとき、養育費を払うための500円。時代が
変わると、貨幣価値も変わりますが、それはおいといて、そ
して、今度の茂市の14万円。

それから、これは第4巻での話になりますが、市議会議員を
しりぞいたのち、博物館網走監獄保存財団の理事長になった
とき。個人の借金ではありませんが、これが6億とも8億とも。

さらに、老健施設「いせの里」を建設したときは、理事長と
して、10億を超える借入金の責任をもつ身に。

どんどん、額がふえてるんですよね。そして、ちゃんと全部
返していくんですよね。そこがすごいと想うんです。もちろ
ん、イセさんだけのちからではありませんが。

結局、第2巻のみどころともつながるところがありますが、
相手の立場になって、何がよろこびになるだろうか
と考えたことが、成果につながっていると想うんです。


みどころのふたつめは、終戦1か月前のこと。網走空襲が
あって、アメリカ軍がいまにも上陸してくる、といううわさ
が飛び交ったとき。

イセさんは、「私がおとりになって、引き止めるから、その
あいだに、みんなは逃げて」と提案します。

夢実子さんは、この場面を読んで(あ、「零(zero)に立つ」
ではなく、山谷一郎さんの「岬を駈ける女」のほうですが)
感動し、「絶対にこのひとを演じたい」と決意します。

語り劇のなかでも、この場面は、第2巻の「小梅」の場面と
同じくらい、重要な場面となっています。

ただ、後日、夢実子さんとも話したことですが、これって、
見かたを変えれば、「思いこみが強すぎる」とも言えると
想うんですよね。(笑)

だって、いくらイセさんが武術の達人でも、相手は多勢の
アメリカ軍です。しかもアメリカ軍は、艦砲射撃、要は鉄砲
です。かたやイセさんがもっているのは日本刀。

みんなが逃げるまで、引き止められるかわかりませんよね。

…と、ミモフタモナイ書きかたをしてしまいましたが(笑)、
本当に書きたかったことは、そんなふうに思い込んでしま
う、イセさんの、ひとを想う気持ちのことなんです。

いつも、まわりのひとの幸せを考えている。そもそも、上
述した、茂市の借金だって、引き受ける必要のないものだ
ったんです。

それを、いまわのきわの茂市が、少しでも安らかな気持ち
になれるようにと、約束するんです。そして、その約束を
完遂するわけです。

さいわい、アメリカ軍は上陸しませんでしたが(網走は軍
港もなかったし、人口も少ないし、もともとデマだったと想
うんですが)、イセさんの心意気は買われます。

このとき、国防婦人会の会長だった町長夫人は、のちに、
イセさんのことを、「日本のジャンヌ・ダルク」と呼んで、
称賛したそうです。

そして、この行動によって、イセさんは、それまでイセさ
んをよく想っていなかった(誤解していた)ひとたちにも、
受け入れられるようになっていったのだと想います。

イセさんの思いこみの強さは、まちがいなく、イセさんの
パワーの源と言えそうですね。


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第2巻 遊廓での「活躍」・卓治との出会い・樺太での生活
第3巻 2億8千万の借金と岬の日々・身を捨てて・終戦
第4巻 (4月末発行予定)最終巻となります。
              
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10★覚悟を決めて、捨て身になる
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