2017年01月11日

番外編★名前も書けない議員?

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


脚本担当のかめおかゆみこです。

今日も、後日談というよりは、こぼれ話的に。

               

イセが、市議会議員4期目のとき、自由民主党北海道支部
連合会(略称「自民党道連」)が、婦人部長を誰にするかで、
もめた。

そして、イセのところに打診がきた、という話は、第139話
で書いた。

イセは、「私は、尋常小学校4年しか出てなくて、自分の名
前もろくに書けないから無理だ」と言って、ことわった。

そうすれば、あきらめるだろうと思ったのである。

ところが、それを聴いた、自民党道連の幹事長・岩本政一が、
イセを気に入った。

「字なんか書けなくていい。大学卒の秘書をつける」というか
ら、とうとう、イセもことわりきれなくなった、というわけだ。

岩本も、小学校出なので、親近感をもったのだろう。田中角栄
もそうだったが、苦労して政治家になった人間は、なおさら、
イセを応援したくなるのだろう。

ところで、尋常小学校4年卒というのは本当だが、自分の名前
も書けないというのは、もちろんホラである。

それどころか、英語以外、たいていのことはこなしてしまう。

名前も書けない議員の補佐をするつもりで着任した大卒秘書
は、その卓抜な才能に舌を巻いた。

下手をすると、自分の出番がないのである。

ただ、字は、あまりきれいなほうとは言えなかったらしい。それ
でようやく、大卒秘書も、自分の役割を果たすことができたので
ある。

また、議員引退後の話だが、こんなエピソードがある。

イセは、年がら年中、あちこちにまねかれて講演やら、記念式
典等でのあいさつなどをしていた。

その草稿を、しばしば、自分の身近で、信頼できるものに、書
かせていたという。

ところが、当日になると、その草稿を見ないのである。それど
ころか、原稿ももたずに、草稿とはちがう内容を、しゃべるこ
とも多かったという。

草稿を頼まれたものは、「一体、何のために書かせるのか?」
と、いぶかったそうだ。

しかし、見かたを変えれば、これはある意味、貴重な体験であ
る。イセになりかわって原稿を書くわけだから、ものの見かた
や、考えかたを、イセに寄り添って考えることになる。

昔から「門前の小僧、習わぬ経を読む」ということばがあるが、
それにもまさる、有意義な修行になったのではあるまいか。

最近は、官僚が書いた原稿を、一語一句そのまま読む議員も
いるようだが、イセの爪の垢を、煎じて飲ませてやりたいところ
である。


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条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上
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日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
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お問い合わせ/info@kamewaza.com

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※網走以外の、北海道の写真も掲載していきます。
mitusmatalupinus.jpg
「十勝三股のルピナスとニペソツ山」 
写真提供/北海道無料写真素材集 DO PHOTOさん
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 19:10| Comment(0) | 物語版「零(zero)に立つ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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