2017年01月10日

番外編★「はだかにされる…」

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


脚本担当のかめおかゆみこです。

今日も、後日談というよりは、こぼれ話的に。

本日のお話、けっして、誰かを本当にはだかにしたり、され
たりしたというハナシではありません。

でも、ご本人が実際にそうおっしゃっていたので、タイトルに
使わせていただきました〜。

               

イセは、子どものころから、つねに他人のなかで生きてきた
ところがある。

2歳足らずで里子に出され、里親の家族とともに暮らしたの
をはじまりに、10歳で実家にもどれば、そこには継母のモ
ヨがいた。

11歳ではじめての家出をして、船山先生夫妻の家で住み込
みではたらき、その後は織物工場の寮で暮らし、17歳で北
海道にわたって、遊廓ではたらいた。

いつでも他人を意識して暮らしているひとは、自然に、ひと
を見抜くちからをつけるようだ。

市議会議員を引退したあとも、さまざまなひとが、イセのと
ころに相談にきたのも、そうした力量を買ってのことだろう。

「いせの里」の理事長になってからの話である。

職員募集で、ひとりの女性(仮に「Aさん」とする)が、応募
してきて、イセが面接にあたることになった。

Aさんは、もともと、網走の出身ではなく、結婚して網走に
やってきた。

そのため、まわりから受け入れられるかどうか、うまくやっ
ていけるかという、不安も大きかった。

頭のなかは、「どんなふうに言おうか」「何を言えば気に入っ
てもらえるだろうか」という想いでいっぱいだった。

理事長室のドアをノックして、なかに入った。

一礼して見ると、目の前に、イセがすわっている。その目が、
まっすぐにAさんを見つめていた。

その瞬間、Aさんは、電流を受けたようなショックを受けた。

そのまなざしが、Aさんの心持ちの、何もかもを見抜いてい
るように感じたからだ。

(あ、このひとには、何をかくしてもむだだ…)

「その目に、はだかにされるような気がした…」と、Aさんは
のちに語っている。

そんなAさんに、イセはやさしく語りかけた。

「なんも、とりつくろうことはない。あんたは、あんたらし
く、堂々としてたらいい。明るく、笑顔でやってみなさい」

心細く思っていたAさんのこころに、ぽっと明かりがともっ
たような気がした。

そして、そのまなざしとことばは、いつまでたっても、ここ
ろから消えないのであった。

そんなエピソードがいくつも残っている。

しかし、当然ながら、イセは、神さまでも超能力者でもない。
たまには、眼力がはずれることもある。

仕事以外ではあるが、ある活動に関して、「このひとがいれ
ば、もう大丈夫!」と、太鼓判を押したひとが、あとで残念な
結果になったということもあった。

名誉のために、詳細は伏せる。たぶん、イセの期待が大き
すぎたのだろう。ある意味、ちょっと気の毒な気もする。


あさって〆切
物語版「零(zero)に立つ」感想募集中
募集期間/2016年12月31日〜2017年1月12日23時59分
条件/物語版「零(zero)に立つ」の感想を、400字以上
結果発表/2017年1月15日(日)の当ブログにて!
詳細/こちら
お申し込み/こちら

問い合わせ/info@kamewaza.com

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詳細は、こちら
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第2巻・第3巻の予約受付は、「零(zero)に立つ」の感想募集の結果発表日、
1月15日に開始
します。


語り劇「掌編・中川イセの物語」
日時/2017年1月30日(月)19時〜21時
会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
詳細/こちら
お申し込み/こちら
お問い合わせ/info@kamewaza.com

夢実子の語り劇を上演してみませんか?



※網走以外の、北海道の写真も掲載していきます。
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「十勝川温泉彩凛詩」 
写真提供/北海道無料写真素材集 DO PHOTOさん
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 08:05| Comment(0) | 物語版「零(zero)に立つ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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