2017年01月09日

番外編★負けず嫌いにもほどが…

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』

※物語版「零(zero)に立つ」のあらすじと、バックナンバーは、こちら


脚本担当のかめおかゆみこです。

今日は、後日談というよりも、いわば、楽屋オチみたいな話
なので、天国のイセさん、苦笑しているかもしれません。

バクロ話、おゆるしくださいませ
ネタもとは、ナイショにしておきまあす

               

イセは、子どものころから、とことん負けず嫌いであった。

それが、のちに苦難を乗りこえていく原動力にもなっていっ
たのだが…。

年をとってからも、年よりあつかいされるのがきらいであった。

体力を維持するために、毎朝のラジオ体操と、一時間の乾
布摩擦は欠かさなかった。

しかし、いくらきたえても限界というものがある。

90歳を過ぎると、イセは、杖を使うようになっていたが、この
杖も、ひとまえではあまり使いたがらなかった。

博物館「網走監獄」理事長時代も、東京などからお客がくると、
杖を使わずにむかえに出て、みずから施設を案内する。

それはいいのだが、お客が帰ったあと、しばしば、職員にマッ
サージをさせるはめになるのだった。

こんなこともあった。

90歳もなかばのころ、イセは、ある地方都市で、講演をする
ことになった。

このころは、長時間の移動には、車椅子も併用するようになっ
ていた。

会場に着き、ステージ袖まで、同行してきた職員に、車椅子を
押してもらった。

ところが、職員が、そのまま、壇上の椅子まで押して行こうと
すると、イセは、「ここからは歩いていく」と言ってきかない。

「無理されては…」と気づかったが、イセは立ち上がり、その
まま歩いていこうとした。

しかし、数歩歩いたところで、その足が止まった。さらに、ふり
かえって、職員に、「こっちにこい」というしぐさをする。

やはり、無理だということに気づいたのだろう。職員はあわて
て駆け寄り、イセの手をとって、壇上の椅子まで誘導した。

客席からは、職員が、エスコートでもしているように見えたで
あろう。

そんな意地っ張りなところも、ある意味、イセが元気を保った
一因なのかもしれない。

しかし、やりすぎは禁物である。

あるとき、イセは、何を思ったか、こんなことを言い出した。

「私の歯は丈夫なんだ。いまだって、きゅうり一本、そのまん
まかじって食べられる!」

そう言うと、周囲が止めるまもなく、手元にあったきゅうりを
つかむと、そのまま、ガリガリとかじりはじめた。

ところが、その表情が、突然、うっとゆがんだ。

なんと、弱りつつあった歯の1本が、そのいきおいに耐えきれ
ず、寿命をむかえてしまったのである。

速攻で、監獄送り…ならぬ、歯医者送りになったのは、言うま
でもない。


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会場/新宿区内施設(新宿駅から約10分)
参加費/2000円(当日集めます)
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お問い合わせ/info@kamewaza.com

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※網走以外の、北海道の写真も掲載していきます。
tokachigawaoohashi.jpg
「十勝川大橋の夕景」 
写真提供/北海道無料写真素材集 DO PHOTOさん
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 08:46| Comment(0) | 物語版「零(zero)に立つ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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