2016年10月16日

かめおかゆみこが、「零(zero)に立つ」の脚本を引き受けたわけ

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
『零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
※この作品は、もともと、女優・夢実子が演ずる語り劇として書かれたものを、
 脚本を担当したかめおかゆみこがノベライズしているものです。

※これまでのあらすじと、バックナンバーは、こちら


2014年9月、横浜で、私は、夢実子さんの語り劇「真知子」
と、「中川イセ物語」を観劇しました。

どちらも、山形出身で、信念を持って自分の道を生きた女性
をテーマにした作品です。

このうち、「真知子」は、夢実子さんが、10年以上前から、
ひとり芝居として上演していたものを、語り劇としてリメーク
したもの。

そして、「中川イセ物語」

これは、現在の「掌編・中川イセ物語」でも、「零(zero)に立
つ」でもありません。

もともと、夢実子さんは、ひとり芝居「真知子」を演じていた
ときから、第2弾は、中川イセさんにしたいと考えていました。

それで、その当時、私に脚本を…と、打診をしていただいたこ
ともありました。

けれども、私は、そのころ、子どもたちの演劇活動に夢中にな
っていて、おとなをあつかったお芝居にあまり興味がありませ
んでした。

それで、資料をちらっと見ただけで、スルーしてしまったので
した…。

ところが、それから、10年後の2014年、冒頭の語りを聴
いたとき、私のなかに、びんびんひびいてくるものを感じた
のです。

終わってから、聴くと、なかなか脚本にすることがかなわない
ため、イセさんの半生をあつかった『岬を駈ける女』(山谷一
郎著)から、自分で抜粋して読んでいるのだと。

あとからテキストを見せていただいたのですが、失礼ながら、
本当に部分を抜粋してつなげただけで、全体の統一感もない
し、構成もととのっていないのです。

けれども、あの日、私はたしかに、強い手応えを、夢実子
さんの語りから受け取った
のです。

まるで、広島や沖縄の、戦争の生き証人の語りを聴くような、
真実のひびきがそこにはありました。

もし、先に、テキストを見せていただいていたなら、もしかし
たら、私は脚本を引き受けなかったかもしれません。

イセさんの人生はたしかに、すばらしいけれども、部分をと
りだしてつないだだけのテキストからは、その魅力は充分に
は伝わってきませんでした。

あのとき、私のこころを打ったのは、どうしても、イセさんを
演じたいという女優・夢実子の、魂の叫びとでもいうべ
き、想い
だったのではないかと思うのです。

もちろん、それからあらためて、『岬に駈ける女』を取り寄
せ、全編を読んで、イセさんのすごさに感嘆するわけです
けれども。

ともかく、私にとっては、すべてのはじまりは、女優・夢実
子の、渾身の語り
、だったというわけなのです。

だからこそ、書き手として、これを、より普遍的な作品にみ
がきあげたい、という想いが、ふつふつと湧いてきたのです。

ただ、ふだんは、おとな対象のお芝居はあまり書かないこと
もあり、すぐに、「脚本を書きましょうか」とは言えず、

まずは、作品を深めるためにも、イセさんが生きた、網走の
地をたずねてはどうか…というところから、

あとは、これまで何度か書いてきたように、

天国のイセさんに、突き動かされるように、あれよあれよの
展開になったわけですが…。


さて。今週末10月22日、東京で、
夢実子さんの「語り」
を聴くチャンス
があります。


「語り劇」ではなく、「語り」、つまりは、トークです。

テーマは、「中川イセのあきらめない精神」

この2年近く、語り劇「零(zero)に立つ〜激動の一世紀を
生きた中川イセの物語〜」の劇づくりにかかわってきた
夢実子さんの、

さらなる熱い想いを、聴くことができるでしょう。

そして、その伝えたい核心テーマ「あきらめない精神」は、

10年以上も、この作品をかたちにすることを、「あきらめ
なかった」夢実子さんの生きかたにも、つながるものと想っ
ています。

来年は、「零(zero)に立つ」の首都圏公演
も構想しています。


まずは、ぜひ、その出発点となった、女優・夢実子の熱い想い
にふれてみませんか?

その語りに、魅せられてみませんか?

かめおかゆみこのメルマガ「今日のフォーカスチェンジ」13周
年記念イベントでの、ゲスト出演となります。

どうぞお楽しみに!

お待ちしています!

                
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夢実子ゲスト出演!講話「中川イセのあきらめない精神」
10月22日・東京  詳細/こちら
 
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メルマガちらしおもて-1.jpg
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札幌★夢実子 語り劇「掌編・中川イセの物語」ほか
日時/2016年11月26日(土)10時〜16時45分
会場/ちえりあ演劇スタジオ1
(地下鉄東西線宮の沢駅約5分)
詳細/こちら! 
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「零(zero)に立つ」第1巻
イセさんの誕生〜北海道に渡るまで。波瀾万丈の人生の幕開けです!
 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
詳細は、こちら

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夢実子の語り劇を上演してみませんか?



網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
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「カムバックサーモンin網走湖」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 17:34| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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