語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
夢実子の語り劇を上演してみませんか?
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札幌★夢実子×ゆみこ 語り劇&ワークショップ
日時/2016年11月26日(土)10時〜16時45分
会場/ちえりあ演劇スタジオ1(地下鉄東西線宮の沢駅約5分)
詳細/こちら!
お申し込み/こちら!
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脚本担当・かめおかゆみこです。
山谷一郎著『岬を駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。
第1章 1 2 3 4 第2章 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47
48 49 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69
70 71 第11章 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81
82 83 84 第12章 85 86 87 88 89
※これまでのあらすじは、こちら
イセは、冬になるとやってくる、流氷を見るのが好きだった。
それは、たいてい12月下旬か1月はじめ。その冬一番に、
ずしんと冷え込む晩がやってくる。
オホーツク地域の人間なら、外に出てみなくてもわかる。
「あ、今日、氷が着いたな…」と。
実は、オホーツク海は、世界的に見ても、流氷の南限であ
る。通常は、これほど南の位置で、流氷ができることはない。
では、なぜ、オホーツク海にだけ、流氷が生まれるのか。
※出典は、こちら
通常、寒気によって、海表面が冷やされると、水は重くなって
沈み、その下のあたたかい水と入れ代わる。
そうして、海の水は、常に循環している。太平洋や大西洋が
凍らないのは、そのためである。
ところが、オホーツク海は、シベリア、カムチャッカ半島、千島
列島、北海道に囲まれた、「閉じられた」海だ。
そこに、遠く、ユーラシア大陸のアムール川から、閉じられた
海域の表面をおおうように、大量の真水が、流れ込む。
すると、海表面と海中とで、極端な塩分差が生じる。
塩分の低い水は、冷えても沈みにくいので、循環が起こりにく
くなるのである。
そこへ、シベリアからの冷たい風が吹きつけると、海表面が、
そのまま凍ってしまうのだ。
そうしてできた海氷が、ゆっくりと成長しながら、北海道の
オホーツク沿岸に向かって、南下する。
これが、北海道にやってくる流氷のなりたちである。
もちろん、イセには、そんな理屈はわからない。
けれども、毎年冬になると、青い水平線が、真っ白に変わる
季節がやってくると、わくわくするのをおさえられない。
その白い帯は、日に日に岸に近づいてきて、やがてある朝、
海は、真っ白に変わっている。
さらに、流氷とともに、いろいろな生きものたちもやってく
る。アザラシ、トド、オオワシ、オジロワシ…。
はじめて見たときには、そのおおきさに度肝を抜かれたが、
アザラシなど、よく見ると、かわいらしく、しぐさもほほえま
しい。
また、真っ白な海の下にも、さまざまな生きものたちがい
ることを、知り合いになった、アイヌの老人が教えてくれた。
その雄大な自然のなかに、身をゆだねていると、ちいさな
ことなど、どうでもよくなってくる。
イセは、岬の突端に立つと、胸いっぱいに、その清冽な空
気を吸い、吐き出さずにはいられない。
ようやく、自分の生きる場所を見つけた…。そんな気持ち
がしてならないのである。
こうして、能取岬での、おだやかでなごやかな日々が、ゆ
っくりと過ぎていった…。
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網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
「流氷」
※一般社団法人網走市観光協会さまご提供