2016年09月10日

これまでのあらすじ/主観でしか書けない

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』


夢実子の語り劇を上演してみませんか?

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「零(zero)に立つ」第1巻 
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脚本担当・かめおかゆみこです。

土日祝日は、連載はお休みさせていただいています。


第1章     第2章      10 11 12 13 14 
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36 
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47 
48 49 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69 
70 71 第11章 72 73 74 75 76 77 78 79

★第1章★ いせよ誕生
明治34年(1901年)、今野安蔵・サダの娘、いせよ(のちの中川イセ)
誕生。サダは、産後の肥立ちが悪く、死を予感。ヤクザものの安蔵にあとを
託すことを怖れ、佐藤コウに里親を頼むと、その年のうちに亡くなった。

★第2章★ 差別と貧しさのなかで
イセは佐藤家の里子になった。佐藤家は貧しく、イセはまわりからいじめられ
たり、差別を受けたりするが、コウの愛情、親友・渡辺みよしの存在、自身の
負けず嫌いの性格で、それらをはね返して成長していく。

★第3章★ はじめての家出
10歳で突然、実家に連れもどされイセは、学校にも行けず、一日中、仕事
に明け暮れる日々。11歳の夏、モヨとの口論から、ついに初めての家出。
山形の船山先生夫妻の家で住み込みの女中をし、かわいがられるも、翌春、
船山先生に満州への転勤辞令が出て、再び実家にもどることになる。

★第4章★ イセの初恋
またまた家出し、米沢の寮づきの織物工場ではたらく。仲間もできて楽し
い日々。そんな中、隣に住む名家の次男坊・戸田茂雄との初恋も体験。し
かし、安蔵にイセの居場所を知られたことで、イセは実家に帰ることに…。

★第5章★ 女優志願
実家にいる間、地域巡演で山形にきた松井須磨子(実はにせもの)にあこが
れ、家出して上京する。しかし、たずねた帝国劇場に須磨子はおらず、い
くつかの仕事を転々とするが、結局あきらめて山形にもどることになる。

★第6章★ 運命の歯車
人絹工場、機織り工場などではたらくうち、かつて実家に出入りしていた
芸人・八重松と再会。乱暴されて子どもを身ごもり、17歳で娘・愛子を
出産。その後、北海道の遊廓への話をもちかけられ、悩んだ末、イセは3
年で500円の借金をし、そのお金で愛子を里子に出すことにする。

★第7章★ 網走まで
大正7年暮れ、北海道に向かって、イセは旅立った。ところが道中、イセ
は虫垂炎から腹膜炎をおこし、到着した旭川で即入院。そのために借金
が倍の1000円となり、網走の遊廓に売られることに。大正8年3月、
網走に着き、駅前の島田待合(食堂)で食事。島田夫婦と親しくなる。

★第8章★「お職」になる!
遊廓での仕事はやはり過酷なものだった。自転車を借りて町内を乗り回し
たり、柔道場に通ったりしたイセだが、娼妓になると今度は、囲碁や将棋
をおぼえたりして、お客を楽しませる工夫をした。また酒に強いことから、
何度も杯を重ね、そこから収益をあげることも考えた。

★第9章★「小梅」の死
イセは、娼妓に乱暴した客を一本背負いで投げ飛ばすなどで、娼妓たちの
信頼を勝ち得ていった。しかし一方で、かわいがっていた妹ぶんの「小梅」
が、失恋を苦に自死。小梅の死をきっかけに、少しでも早く借金を返せるよ
うに、娼妓みんなでちからをあわせることを誓う。

★第10章★中川卓治という男
イセは、柔道場で出会った中川卓治と親しくなり、急速に気持ちが近づい
ていく。卓治の妹・タマは、2人の交際をはげしく反対するが、卓治はイ
セに求婚し、イセは身請けされて、ついに遊廓を出る。

★第11章★樺太にて(20160909ぶんまで)
中川家よりもイセを選んだ卓治。2人は、樺太に新天地をもとめる。あと
からきた島田夫婦のもとではたらき、冬は、たんぽもちをつくって売って、
なんとか暮らしを立てていたのだが…。


毎日の連載の冒頭に、こんな表記をしています。

山谷一郎著『岬を駈ける女』を主要資料としながら、かめお
かの視点で、イセさんの物語をつむいでいます。

この表記について、「どの程度、参考にしているのですか」
という質問をいただきました。

今日は、そのことについて書いてみたいと思います。

連載をはじめて1か月経ったころ、「あったかもしれない」
物語と題して、私がこの物語を書くスタンスについてふれま
した。
http://katari-geki.seesaa.net/article/439383603.html

このスタンスはいまも変わりませんが、3か月経ったいまは、
当初より、さらに自由に書いている気がします。

7年間、編集者をやっていた経験がありますから、できるだ
け、資料(史料)にはあたりたいと思っています。

そうはいっても、それこそ、そのときどきの細かいやりとり
などは、記録に残っているはずもありません。

これは、『岬を駈ける女』を書いた山谷さんも、同じだった
ろうと思うのです。

イセさんに直接聴いて書いたとしても、どこかには、ご自身
の想像が加わっているはずですから。

ある意味、たとえどれほど史実に忠実にあろうとしても、結
果的には、それを書くひとの主観でしか書くことはできない
のです。

また、だから、小説というものの、おもしろさがあるのだろ
うと思うのです。

たとえば、もしも、100人の小説家がいて、全員が「坂本
龍馬」を書きたいと思ったとします。

まず、Aさんが最初の1冊を書いたとします。

ほかのかたがたは、当然、それを読むでしょう。

次に、Bさんが、同じく「坂本龍馬」を書きます。

Aさんの本を読んでいたとしても、自分が書くときには、そ
れをいったん脇において、自分なりのオリジナリティーをも
って書くでしょう。

そのあとCさんも、同様にAさん・Bさんの書かれたものを
読むかもしれません。

でも、書くときには、やはり自分のオリジナリティーを大切
にするでしょう。

Dさん、Eさん、Fさん…も同様です。

そうして、100通りの「坂本龍馬」像ができあがるのだと
思います。 

私も、いまは、事実の確認のみさせてもらい、それ以外は
ほとんど見ることなく、原稿を書いています。

事実についても、必ず、他の資料(おもに、92歳のイセさ
んから直接聴き書きした、「私のなかの歴史」北海道新聞
連載。石原宏治記者著)を確認しています。

山谷さん、そしてそれ以前に書かれた、金子きみさん、佐々
木悦さんがそうであったように、私も、私の「イセさん」を書
いているのです。

どうかそれが、本来のイセさんの魅力をそこなうものになら
ないように。

また同時に、上っ面の偉人伝のようにはならないように。

それだけは、こころしています。

第79話を書いた時点で、イセさんはまだ21〜22歳。

一応、戦後、網走市議会議員になるところ+αまで書く予定
でいますから、あと半分ちょっとあります。

今後とも、どうぞ、応援していただけたらうれしいです。

(「零(zero)に立つ」第1巻も、買っていただけたら、うれし
いで〜す♪)(笑)


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その際、掲載してよいお名前を教えてください。(匿名・イニシャル可)
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あわせて、ご紹介させていただきます。


網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
0910152.jpg
「呼人探鳥遊歩道」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 05:49| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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