2016年09月07日

物語版「零(zero)に立つ」第11章 樺太にて(6)/通巻77話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』


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脚本担当・かめおかゆみこです。

山谷一郎著『岬を駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。


第1章     第2章      10 11 12 13 14 
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36 
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47 
48 49 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69 
70 71 第11章 72 73 74 75 76
※これまでのあらすじは、こちら


1923年(大正12年)9月1日。イセが22歳の誕生日をむ
かえた直後のことである。

11時58分32秒、関東地方を、巨大地震がおそったのであ
る。関東大震災。それまでの日本災害史上、最大の災害と
呼ばれた。

しかし、どんな歴史にも裏とおもてがある。

この甚大な被害は、同時に、復興事業をとおして、おおき
な経済効果をもたらす。

イセたちが暮らす樺太に、木材の注文が殺到したのである。

そんな折、イセたちに樺太行きをすすめてくれた島田夫婦が、
この木材景気に乗って、樺太にやってきたのである。

イセたちの住む大泊にほど近い、留加多港に、網走の能登
艀部(のとはしけぶ)の出張所ができ、島田夫婦が、責任者を
まかされたというのである。

艀とは、「河川・港湾などで大型船と陸との間を往復して貨物
や乗客を運ぶ小舟。船幅が広く、平底。はしぶね」のこと。

樺太では、川の上流で伐採した木材を、いかだに組んで下流に
流す。それを集めて、艀に乗せて、船に運ぶのが仕事である。

「そんなわけで、イセちゃんたちには、ぜひ仕事を助けてもら
いたいと思ってね」

お世話になった島田夫婦の頼みである。イセたちに異論があろ
うはずがない。

旅館の主人夫婦に頭を下げて、イセたちは、島田夫婦のもとに
移ることになった。

イセの仕事は、3人の女たちを使って、島田のおばさんととも
に、そこに集まる男たちのまかないをすることだった。

まかないといっても、簡単な話ではない。

食材の買い出しから炊事、かたづけにいたるまで一切がっさい
を、とどこおりなくすすめなくてはならない。

何しろ、肉体労働だけあって、はたらく男たちは、そろいもそろ
って大食漢であった。

そんな大食らいの男たちが何十人といるのだから、てんこもり
に用意した食事が、あっというまになくなっていく。

米が底をついて、あわてて買いに走ったことも、一度や二度で
はない。

また、食事のよしあしは、男たちの仕事の意欲にもつながるか
ら、献立にはつねに工夫が必要であった。

イセは、食材の値段をにらみ、量を調整し、買い出しの手配か
ら、献立から一切を指示する役割をになった。

また、男たちの食事への注文にも耳をかたむけ、よろこんでも
らえる食事づくりにも、こころを配った。

そのかいあって、数か月も経つうちに、イセはすっかりこつを
覚え、男たちからも、「ここは、めしがうまい」と評判をもらえる
ようになったのである。


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網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
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「オホーツクシマリス公園」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 04:01| Comment(0) | 物語版「零(zero)に立つ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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