2016年09月03日

これまでのあらすじ/プロフェッショナル

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』


◆予告◆
2016年11月26日(土)午後、札幌市内にて、夢実子の語り劇
「掌編・中川イセの物語」の上演があります。これは、劇場版の本編
「零(zero)に立つ」に盛り込みきれなかった、エピソードを、30分
にまとめたものです。フリースタイルなので、会議室・喫茶店等、ど
こでも上演でき、好評を博しています。詳細は後日。お楽しみに!

 
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「零(zero)に立つ」第1巻 
1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
※イセさんの誕生〜北海道に渡るまでを、まとめて一気に読めます。
詳細は、こちら! お申し込みは、こちら

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脚本担当・かめおかゆみこです。

土日祝日は、連載はお休みさせていただいています。


第1章     第2章      10 11 12 13 14 
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36 
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47 
48 49 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69 
70 71 第11章 72 73 74  

★第1章★ いせよ誕生
明治34年(1901年)、今野安蔵・サダの娘、いせよ(のちの中川イセ)
誕生。サダは、産後の肥立ちが悪く、死を予感。ヤクザものの安蔵にあとを
託すことを怖れ、佐藤コウに里親を頼むと、その年のうちに亡くなった。

★第2章★ 差別と貧しさのなかで
イセは佐藤家の里子になった。佐藤家は貧しく、イセはまわりからいじめられ
たり、差別を受けたりするが、コウの愛情、親友・渡辺みよしの存在、自身の
負けず嫌いの性格で、それらをはね返して成長していく。

★第3章★ はじめての家出
10歳で突然、実家に連れもどされイセは、学校にも行けず、一日中、仕事
に明け暮れる日々。11歳の夏、モヨとの口論から、ついに初めての家出。
山形の船山先生夫妻の家で住み込みの女中をし、かわいがられるも、翌春、
船山先生に満州への転勤辞令が出て、再び実家にもどることになる。

★第4章★ イセの初恋
またまた家出し、米沢の寮づきの織物工場ではたらく。仲間もできて楽し
い日々。そんな中、隣に住む名家の次男坊・戸田茂雄との初恋も体験。し
かし、安蔵にイセの居場所を知られたことで、イセは実家に帰ることに…。

★第5章★ 女優志願
実家にいる間、地域巡演で山形にきた松井須磨子(実はにせもの)にあこが
れ、家出して上京する。しかし、たずねた帝国劇場に須磨子はおらず、い
くつかの仕事を転々とするが、結局あきらめて山形にもどることになる。

★第6章★ 運命の歯車
人絹工場、機織り工場などではたらくうち、かつて実家に出入りしていた
芸人・八重松と再会。乱暴されて子どもを身ごもり、17歳で娘・愛子を
出産。その後、北海道の遊廓への話をもちかけられ、悩んだ末、イセは3
年で500円の借金をし、そのお金で愛子を里子に出すことにする。

★第7章★ 網走まで
大正7年暮れ、北海道に向かって、イセは旅立った。ところが道中、イセ
は虫垂炎から腹膜炎をおこし、到着した旭川で即入院。そのために借金
が倍の1000円となり、網走の遊廓に売られることに。大正8年3月、
網走に着き、駅前の島田待合(食堂)で食事。島田夫婦と親しくなる。

★第8章★「お職」になる!
遊廓での仕事はやはり過酷なものだった。自転車を借りて町内を乗り回し
たり、柔道場に通ったりしたイセだが、娼妓になると今度は、囲碁や将棋
をおぼえたりして、お客を楽しませる工夫をした。また酒に強いことから、
何度も杯を重ね、そこから収益をあげることも考えた。

★第9章★「小梅」の死
イセは、娼妓に乱暴した客を一本背負いで投げ飛ばすなどで、娼妓たちの
信頼を勝ち得ていった。しかし一方で、かわいがっていた妹ぶんの「小梅」
が、失恋を苦に自死。小梅の死をきっかけに、少しでも早く借金を返せるよ
うに、娼妓みんなでちからをあわせることを誓う。

★第10章★中川卓治という男
イセは、柔道場で出会った中川卓治と親しくなり、急速に気持ちが近づい
ていく。卓治の妹・タマは、2人の交際をはげしく反対するが、卓治はイ
セに求婚し、イセは身請けされて、ついに遊廓を出る。

★第11章★樺太にて(20160902ぶんまで)
中川家よりもイセを選んだ卓治。そのために勘当され、網走にいられなく
なる卓治とイセ。2人は悩んだ末、樺太に新天地をもとめるが…。


本日は、先週の本番翌日に書いたメルマガを、
紹介させていただきます。


★今日のフォーカスチェンジ♪第4684号

プロフェッショナル



お芝居の現場にいて、いつも感心するのは、
役者さんのお芝居もさることながら、

それをささえる、プロのスタッフさんのお仕事です。

お芝居には、さまざまな要素が必要とされます。

作品にもよりますが、
大道具、小道具、音響、照明、衣装、メーク、

ときとして、特殊効果や映像などが
くわわることもあります。

さらに、それらをたばねる、
舞台監督さんという仕事もあります。

(ちなみに、役者さんのお芝居をまとめるのが演出さん、
 裏方全般の仕事を統括するのが舞台監督です)

それぞれが、こだわりをもっています。
そのこだわりが、ハンパないのです。

とくにすごいなあと想うのが、
設備が足りないなど、不十分な条件であっても、
最大限の効果をあげるための工夫をするところ。

何気ない照明の角度、ちょっとした効果音、

それがあるのとないのとでは、
舞台の印象がまるでちがってきてしまいます。

それを知っているから、そのときになしうる、
最大限の努力を惜しまなずにやるのが、
まさに職人の仕事だなあと想うのです。

そして、それぞれの
仕事の総和によって、全体の調和が生まれ、
役者さんたちが生きる舞台ができあがるのです。

先ほど、「裏方」と書きましたが、
スポットライトを浴びる役者さんたちとちがい、

スタッフの仕事は、
おもてにしゃしゃり出ることはありません。

役者さん以外が、舞台で
目についてしまうことはタブーですから、

みんな、上下真っ黒な服装をしています。

舞台のうえを、
足音も立てずに歩くことができます。

そして、目立たずに、さりげなく、
舞台をささえる、深い仕事をすることに、
誇りを感じているのです。

私は、そんな裏方さんの仕事が大好きで、
かつ、尊敬しています。

ついつい手抜きをしたり、
面倒で省略してしまいたくなることがありますが、

スタッフさんの仕事を見るにつけ、
それではいかんなあと、想いあらためるのです。

あなたも、もしかしたら、
おもてだっては評価されにくい、
目立たない仕事をしているかもしれません。

でも、それをちゃんと
見ているひとは、きっといます。

どうぞ、ご自身の仕事に誇りをもってください。

そして、もしも、私のように、
本当に細部にまで、こころを尽くしては、
やれてはいないなあと想うなら、

ぜひ、そこに
いま以上のこだわりをもってみてください。

おもてで目立つひとたちが存在するためには、
陰でそれをささえている、
プロフェッショナルなひとたちが必ずいるのです。

それは、資格云々の問題ではありません。

あなたの、私のこころが、
プロフェッショナルにはたらいているかどうか、
なのです。

今日のメッセージは、いつも以上に
自戒をこめたものになりましたが、

あなたにとっても、
何か、こころにふれるところがあれば、
うれしいです。


ぜひ、感想をお聴かせください
物語版「零(zero)に立つ」の感想を、ぜひお寄せください。
日曜日のブログにて、紹介させていただきます。
ブログのコメント欄にお書きいただくか、
こちらまで、メールでお寄せいただければ幸いです。

その際、掲載してよいお名前を教えてください。(匿名・イニシャル可)
また、ブログ等をおもちのかたは、URLも、よかったらお知らせください。
あわせて、ご紹介させていただきます。


網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
0903140.jpg
「モヨロ貝塚発掘作業」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 04:25| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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