2016年09月01日

物語版「零(zero)に立つ」第11章 樺太にて(2)/通巻73話

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』


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このほか、会議室・喫茶店等でも気軽に上演できる、フリースタイル版
の語り劇もございます。「真知子」(25分)「掌編・中川イセの物語」(30分)

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脚本担当・かめおかゆみこです。

山谷一郎著『岬を駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。


第1章     第2章      10 11 12 13 14 
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36 
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47 
48 49 50 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69 
70 71 第11章 72 
これまでのあらすじは、こちら


樺太(からふと)。アイヌ語でこの島を、「カムイ・カラ・プト・ヤ・モ
シリ」と呼んだことに、その名が由来するという。

樺太.JPG 樺太2.JPG
出典は、こちらこちら

1905年9月5日、日露戦争後のポーツマス条約締結により、
北緯50度以南の樺太島(南樺太)がロシアより日本へ割譲。
第2次世界大戦終結まで、日本の統治下にあった…、

とされている。

いずれにしても、この時期、開拓景気にわいており、日本か
ら多くのひとが移住していた。

「森から木材を伐り出したり、石炭掘ったり、それに漁業も
さかんで、とにかく、仕事には困らないそうだよ」

島田のおじさんは、食堂にくる人たちから聴いた話を、熱心
に語ってくれた。

さらに、入植者をつのるために、政府が税金を安くする政策
をとっているので、いいことづくめだというのだ。

卓治とイセは、顔を見合わせた。

樺太へ…など考えてもみないことではあったが、どのみち、
網走にはいられない身である。

新天地を考えるなら、思い切って、海をわたってみるのも
いいのではないか。

それに、旅費も、東京まで行く半分ほどですみそうだ。

さらには、二人にとって大恩ある、柔道場の後藤万次郎
先生が、このとき、ひと足先に樺太にわたっていたので
ある。

腹は決まった。イセたちは、樺太行きを決意した。

樺太に行くためには、宗谷海峡をわたらねばならない。

しかし、稚内から樺太をつなぐ、大泊航路(稚泊航路)
が開設されるのは、2年後の1923年。

さらに、網走から稚内までの鉄道も、まだ全部は開通し
ていない。

したがって、イセたちは、いったん小樽港まで行き、そ
こから樺太行きの船に乗ることになった。

3年前、山形から北海道にわたってきたコースを、逆に
たどり、旭川を過ぎて、札幌、そして小樽へと。

イセは、移りゆく車窓の景色をじっと見つめた。

あのときの心細い想いを、いまも忘れてはいない。

けれども、いまは、かたわらに、自分を大切に想って
くれる卓治がいる。

血はつながっていないけれども、自分を実の母のよう
に慕ってくれる、宗治もいる。

そう思うと、胸のうちから、ふくふくとあたたかいもの
がこみあげてくるのであった。

そうこうするうち、3人は、小樽に到着した。そのまま、
港へ向かう。

やがて、銅鑼の音とともに、イセたちを乗せた船は、樺
太に向けて、出航したのだった。


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網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
0901138.jpg
「ジャッカ・ドフニ」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 04:23| Comment(0) | 物語版「零(zero)に立つ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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