語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
語り劇「零(zero)に立つ〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語」を
上演してみませんか?
このほか、会議室・喫茶店等でも気軽に上演できる、フリースタイル版
の語り劇もございます。「真知子」(25分)「掌編・中川イセの物語」(30分)
詳細はお問い合わせください。
オフィス夢実子 電話&FAX 023−658−7061
メール・yumiko@yumiko333.com
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1200円+送料200円=1400円 ※2冊以上でも、送料は据え置き200円
※イセさんの誕生〜北海道に渡るまでを、まとめて一気に読めます。
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脚本担当・かめおかゆみこです。
山谷一郎著『岬を駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。
第1章 1 2 3 4 第2章 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47
48 49 50 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69
70
これまでのあらすじは、こちら
そもそも、卓治の父・茂市は、町会議員もつとめる町の名士である。
そして、卓治の妹、タマは、同じく町会議員の東条貞と結婚していた。
この東条、もとは愛媛県の出身で、1906年に北海道にわたり、
室蘭・滝川・網走などで新聞記者をつとめていた。
1918年(イセが遊廓に入った年)に、網走町議会議員に初当選。
その後、1924年には北海道議会議員に、1930年には衆議院
議員へとのぼりつめていくのだが、この当時は、まだ町会議員で、
その野望をひそかに腹に秘めていた。
タマは、出世頭の夫が自慢だった。それだけに、兄が遊廓の女と
つきあいだしたと聴いて、がまんならなかったのである。
「兄さん、はずかしいから、やめてよ。うちの名前に傷がつくわ」
ところが、いつもは温厚な卓治が、イセのことになると、頑として
首をたてに振らない。それどころか、
「何を言う。おまえだって、遊廓の家に育ったでないか。これ以上、
イセのことで、しのごの言うのはゆるさん!」
いつになく、きびしい口調で切り返してくる。タマは、憤懣やるか
たなかった。
「冗談じゃない。宗ちゃんまで手なずけているっていうじゃないの。
絶対に中川家の金目あてに決まってる!」
タマの怒りはおさまらない。
ひとを使って、イセの悪口を言いふらさせたりとか、茂市の名前を
かたって、イセのもとにひとを送り、金で手を切らせようとして、
イセにことわられたとか…。
真偽はわからないが、そんな話が残されているほどである。
ちなみに、茂市自身は、イセが遊廓の出であることは、さほど気にし
ていなかったらしい。
自分自身が、遊廓を経営していて、そこできちんとつとめあげたもの
は、なまじの女よりしっかりものであることを、知っていたからだ。
また、卓治にたいしては、最初の結婚を勝手に進めてしまい、つらい
想いをさせてしまったことを後悔していた。
卓治が本気で望むなら、遊廓だろうがなんだろうが、自由に選ばせて
やりたいとも想っていた。
とはいえ、中川家の長として、タマをはじめ、親戚たちの意見を無下
にするわけにもいかない。
おもてだっては、あまり賛意を表明してやれないのも事実ではあった。
そんななかで、イセは20歳になった。
卓治は、イセにプロポーズし、イセもそれを受けて、身請けしても
らい、晴れて、遊廓を出ることになったのである。
なお、これは余談だが、千円の借金はすでに返していたので、本当
は、もっと早く、遊廓を出ることはできたらしい。
だが、楼主と女将に、「いまおまえにやめられたら、売り上げが下
がる」と泣きつかれ、時期を延ばしたらしいという話がある。
いずれにしでも、こうして、3年あまりのあいだに、さまざまな伝
説・逸話を残し、イセは、遊廓をあとにするのである。
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「オホーツク流氷館(旧)」
※一般社団法人網走市観光協会さまご提供