2016年08月27日

これまでのあらすじ/突き抜け力

天童で産まれ網走で活躍した、中川イセさんの半生を描いた
語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』


本日、公演当日!

イセさんの「あきらめない精神」を伝えたい!

日時/2016年8月27日(土)18:00開演
会場/シベールアリーナ(客席数456)
観劇料/当日券3500円
チケット購入先
シベールアリーナ 023-689-1166 ※直接ご購入ください。   


★「零(zero)に立つ」第1巻
※イセさんの誕生〜北海道に渡るまでを、まとめて一気に読めます。
※本日、シベールアリーナのロビーでお買い求めいただけます!



脚本担当・かめおかゆみこです。

土日祝日は、連載はお休みさせていただいています。


第1章     第2章      10 11 12 13 14 
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36 
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47 
48 49 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60 61 62 63 64 65 66 第10章 67 68 69
※これまでのあらすじは、こちら

★第1章★ いせよ誕生
明治34年(1901年)、今野安蔵・サダの娘、いせよ(のちの中川イセ)
誕生。サダは、産後の肥立ちが悪く、死を予感。ヤクザものの安蔵にあとを
託すことを怖れ、佐藤コウに里親を頼むと、その年のうちに亡くなった。

★第2章★ 差別と貧しさのなかで
イセは佐藤家の里子になった。佐藤家は貧しく、イセはまわりからいじめられ
たり、差別を受けたりするが、コウの愛情、親友・渡辺みよしの存在、自身の
負けず嫌いの性格で、それらをはね返して成長していく。

★第3章★ はじめての家出
10歳で突然、実家に連れもどされイセは、学校にも行けず、一日中、仕事
に明け暮れる日々。11歳の夏、モヨとの口論から、ついに初めての家出。
山形の船山先生夫妻の家で住み込みの女中をし、かわいがられるも、翌春、
船山先生に満州への転勤辞令が出て、再び実家にもどることになる。

★第4章★ イセの初恋
またまた家出し、米沢の寮づきの織物工場ではたらく。仲間もできて楽し
い日々。そんな中、隣に住む名家の次男坊・戸田茂雄との初恋も体験。し
かし、安蔵にイセの居場所を知られたことで、イセは実家に帰ることに…。

★第5章★ 女優志願
実家にいる間、地域巡演で山形にきた松井須磨子(実はにせもの)にあこが
れ、家出して上京する。しかし、たずねた帝国劇場に須磨子はおらず、い
くつかの仕事を転々とするが、結局あきらめて山形にもどることになる。

★第6章★ 運命の歯車
人絹工場、機織り工場などではたらくうち、かつて実家に出入りしていた
芸人・八重松と再会。乱暴されて子どもを身ごもり、17歳で娘・愛子を
出産。その後、北海道の遊廓への話をもちかけられ、悩んだ末、イセは3
年で500円の借金をし、そのお金で愛子を里子に出すことにする。

★第7章★ 網走まで
大正7年暮れ、北海道に向かって、イセは旅立った。ところが道中、イセ
は虫垂炎から腹膜炎をおこし、到着した旭川で即入院。そのために借金
が倍の1000円となり、網走の遊廓に売られることに。大正8年3月、
網走に着き、駅前の島田待合(食堂)で食事。島田夫婦と親しくなる。

★第8章★「お職」になる!
遊廓での仕事はやはり過酷なものだった。自転車を借りて町内を乗り回し
たり、柔道場に通ったりしたイセだが、娼妓になると今度は、囲碁や将棋
をおぼえたりして、お客を楽しませる工夫をした。また酒に強いことから、
何度も杯を重ね、そこから収益をあげることも考えた。

★第9章★「小梅」の死
イセは、娼妓に乱暴した客を一本背負いで投げ飛ばすなどで、娼妓たちの
信頼を勝ち得ていった。しかし一方で、かわいがっていた妹ぶんの「小梅」
が、失恋を苦に自死。小梅の死をきっかけに、少しでも早く借金を返せるよ
うに、娼妓みんなでちからをあわせることを誓う。

★第10章★中川卓治という男(2016.8.26まで)
イセは、柔道場で出会った中川卓治と親しくなる。ある日、卓治が金松楼
にやってくる。互いの身の上を語り合い、急速に気持ちが近づいていく。


いよいよ、本日、本番です!

昨日は、舞台監督、音響さん、照明さん、映像さん、
そして、サポーターのみなさんが続々詰めかけました。

稽古1_n.jpg

そして、地元の民放局TUYさんが、50秒間の
スポットで、告知をさせていただいたこともあり、

告知_n.jpg

おかげさまで、席は、400席以上埋まりました。

シベールアリーナさんの客席は、456席。
満席になってくれたら、うれしいなあ〜!


さて。今日は、一昨日書いた私のメルマガをご紹介します。


★今日のフォーカスチェンジ♪第4681号

突き抜け力



中川イセさんというひとは、不思議なひとです。

映画「おしん」もマッサオなほど、
運命に翻弄される人生を送ります。

しかも、「おしん」は、
複数のモデルがいる、架空の人物ですが、
イセさんは、実際に生きたひとりの人間です。

しつこいようですが、すごい人生です。

1歳で生母と死別。
里子に出されるも、実父は養育費を払わず。

極貧。差別。
小学4年生が最終学歴。

それも、家の仕事をさせられたため、
行けなくなってます。

11歳で、親に追い出されて、家出。
そこから、自活がはじまります。

詳しい内容は、語り劇「零(zero)に立つ」を
観ていただくか、
物語版「零(zero)に立つ」を
読んでいただくとして、(笑)

普通、こういう人生を送ると、多くのひとは、
やさぐれたり、いじけたり、
世をすねたり…しても、おかしくありません。

実際、

「自分は子どものころ、
 〜〜だったから、こんな人間になった」

というひとは、大勢います。


でも、なぜか、
イセさんは、そうはならなかったのです。

それどころか、社会の底辺と呼ばれるような
生活のなかでも、

創意工夫し、実践し、
逆境を乗り越え、さらに飛躍していきます。

状況を考えると、
生きるのがいやになってもおかしくないのに、
実に、いさぎよく、さわやかなのです。

むしろ、ときに、ユーモラスでさえあります。

「あ、突き抜けてるんだ、このひと」

そう想いました。

その突き抜け力は、
生まれもったものかもしれません。

やくざものであった父は、
身勝手なひとではあったのですが、

たくさんの子分たちに、
したわれる面ももっていたと言われています。

それが、娘に遺伝して、
ふところの広さというかたちで、
昇華・体現したのかもしれません。

とにかく、ハンパではないのです。

つまらないことで、くよくよしないのです。
先行きがわからなくても、絶望なんかしないのです。

立ち止まるくらいなら、
前に進み、進みながら考えるのです。

きっと、悪の世界(笑)に進んだら、
とんでもない女ボスになっていたでしょうが、

何人かの、愛情深いひとびととの出会いの
おかげか、はたまた天の采配か、

そうはならず、社会に貢献する人生を歩みます。

イセさんの突き抜け力を支えたのは、
たぶん、その、
考えるより先に行動する、そそっかしさです。

思い立ったらもう走り出して、
走りながらどうするか考えるのです。

まあ、それが、
突き抜けたひとのやりかたなのかもしれません。

そこには、怖れはありません。
少なくとも、自己保身の怖れはありません。

そのイキオイというか、エネルギーが、
運を呼んだといえるかもしれません。

イセさんを語ると、
けっして、重苦しい、苦労話や根性話にならず、
元気や勇気が湧いてくるのは、

ああ、ひとは、
こんなふうにも生きられるのだ。

自分も同じ人間なら、
しかも、ここまでの状況にはおかれて
いないのだから、

きっと、なんとかなる!
と、想えるからかもしれません。

ああ、私も突き抜けていきよう!

あらためて、そう想いました。

一回きりの人生、怖れて、逡巡していても
はじまりませんものね。

どうぞ、あなたも、突き抜けちゃってください。

人生が、パワーアップしますよ。
お楽しみさま!


★「零(zero)に立つ」第1巻
※イセさんの誕生〜北海道に渡るまでを、まとめて一気に読めます。
※本日、シベールアリーナのロビーでお買い求めいただけます!



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日曜日のブログにて、紹介させていただきます。
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こちらまで、メールでお寄せいただければ幸いです。

その際、掲載してよいお名前を教えてください。(匿名・イニシャル可)
また、ブログ等をおもちのかたは、URLも、よかったらお知らせください。
あわせて、ご紹介させていただきます。


網走市観光協会さまのサイトより、ご承諾を得て
網走の写真をお借りしています。ありがとうございます。
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「オホーツク流氷館(旧)」 
一般社団法人網走市観光協会さまご提供
posted by 夢実子「語り劇」プロジェクト at 05:20| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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