語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
本日、公演11日前!
★イセさんの「あきらめない精神」を伝えたい!
★動画、予告編は、こちら!
日時/2016年8月27日(土)18:00開演
会場/シベールアリーナ(客席数456)
観劇料/3000円(当日3500円)
チケット購入先
オフィス夢実子(事務局・菅野)080-6020-8837
メール・zeronitatsu@yumiko333.com
シベールアリーナ 023-689-1166
八文字屋POOL(山形市) 023-622-2150
TENDO八文字屋(天童市)023-658-8811、
「零(zero)に立つ」公演サポーターズメンバー、他
★小冊子「零(zero)に立つ」第1巻お申し込み受付中!
※第1話から第44話まで、一気にまとめて読めます。
※特典ゲットは、8月25日まで!
脚本担当・かめおかゆみこです。
山谷一郎著『岬に駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。
第1章 1 2 3 4 第2章 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
第3章 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
第4章 26 27 28 29 30 31 第5章 32 33 34 35 36
37 第6章 38 39 40 41 42 43 44 第7章 45 46 47
48 49 50 第8章 51 52 53 54 55 56 57 58 59
第9章 60
※これまでのあらすじは、こちら
不意を打たれて、男は、思わず、八重の首から手を離す。
はずみで、男とイセは、そのままのけぞってうしろに倒れた。
イセのうえに、男の巨体がかぶさってくる。
が、イセは、倒れざまにからだをかわし、すばやくはね起きる
と、さっとみがまえた。
「こ…の、あまぁっ…何しやがるっ!」
酒でにごった目を血走らせて、男がイセにおそいかかる。
イセは、有無を言わせず、男の右手首をつかむと、くるっ
とからだをまわして、その巨体を肩にかつぎ、力いっぱい、
一本背負いをかけた。
あっと声をあげる間もなかった。
男のからだは、みごとなまでの半円を描いて空を斬り、いき
おいよく、廊下に投げ出された。
どすうぅぅぅぅーん!
すさまじい音と振動が、金松楼全体を揺るがした。
「な、何が起きたんだ!」
仰天した楼主が、階段を駆け上がってくる。
ほかの部屋の客も娼妓たちも、なにごとが起きたかと、障子
を開けて、顔を出す。
2階にあがってきた楼主は、顔を上気させて息をついている
イセと、泣きじゃくる八重、そして廊下で長々と伸びて、気
をうしなっている客を見ることになる。
泣きじゃくる八重をかばうように、隣の部屋にいた娼妓が、
楼主にうったえた。
「八重ちゃんは悪くないです。厠に立とうとしたら、この男
が、『どこへいく!』って怒りだして、八重ちゃんの首をし
めたんです。それを姐さんが助けてくれたんですよう」
楼主の怒りが、今度は、イセに向かう。
「イセっ! だいじなお客さんをこんな痛い目にあわせて、
どうするつもりだ!」
イセは負けずに、言い返した。
「ほっとけば、八重ちゃんは死んでたよ。弱い女をこんな
目にあわせるやつは、警察に突き出してやればいいんだ」
警察、ということばが耳に入ったのか、イセに投げられた
客も、ようやく息を吹き返した。
「あ、いや、俺が悪かった。酒を飲みすぎて、冗談半分に
やったんだ。警察だけはかんべんしてくれ」
酔いも冷めた体(てい)で、平謝りに謝るので、楼主もそれ
以上、何も言えなくなった。
こうして話は無事におさまったのだが、事件はたちまち、
遊廓の客から客へ、町じゅうに伝わった。
「柔道3段だってよう」
「ちょちょいのちょいで、放り投げたって」
いささかオーバーなうわさもともなって、ともあれ、イセ
の人気はますますあがったのだった。
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「博物館網走監獄」
※一般社団法人網走市観光協会さまご提供