語り劇『零（zero）に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
本日、公演１６日前！
★イセさんの「あきらめない精神」を伝えたい！
★動画、予告編は、こちら！
日時／２０１６年８月２７日（土）１８：００開演
会場／シベールアリーナ(客席数４５６）
観劇料／３０００円（当日３５００円)
チケット購入先
オフィス夢実子（事務局・菅野）０８０-６０２０-８８３７
メール・zeronitatsu@yumiko333.com
シベールアリーナ ０２３-６８９-１１６６
八文字屋ＰＯＯＬ（山形市） ０２３-６２２-２１５０
ＴＥＮＤＯ八文字屋（天童市）０２３-６５８-８８１１、
「零（zero）に立つ」公演サポーターズメンバー、他
脚本担当・かめおかゆみこです。
山谷一郎著『岬に駈ける女』を主要資料としながら、かめおかの視点で、イセさんの
物語をつむいでいます。物語ですので、すべてが事実ではなく、想像やフィクション
がまじる部分もあります。けれども、イセさんの生きかたの根本ははずさないで書い
ていくつもりです。ご感想をいただければ励みになります。よろしくお願いします。
第１章 １ ２ ３ ４ 第２章 ５ ６ ７ ８ ９ １０ １１ １２ １３ １４
第３章 １５ １６ １７ １８ １９ ２０ ２１ ２２ ２３ ２４ ２５
第４章 ２６ ２７ ２８ ２９ ３０ ３１ 第５章 ３２ ３３ ３４ ３５ ３６
３７ 第６章 ３８ ３９ ４０ ４１ ４２ ４３ ４４ 第７章 ４５ ４６ ４７
４８ ４９ ５０ 第８章 ５１ ５２ ５３ ５４ ５５ ５６ ５７
※これまでのあらすじは、こちら
指名がくると、イセはまず、お客を観察し、話を振っては、
好きそうな話題を引き出す。
誰しも、自分の興味のある話は好きだから、つい話したくな
るものだ。
イセは聴き上手でもあったから、話は自然にもりあがる。
また、それが将棋であれば、「手合わせ」をお願いする。
客もおもしろがって応じてくれるので、これもまた、床入り
前の時間稼ぎになる。
囲碁もおぼえた。なかには、英会話に堪能なもの、バイオリン
のたしなみのある客もいて、イセはそうした技術も身につけ、
お客との話題づくりを工夫した。
もちろん、得意の歌や三味線も、しばしば客のもとめに応じ
て披露した。
そんなときは、イセにとっても、少しは、心休まる時間とな
ったのである。
さらに、イセには、強みがあった。
これは、宴席のお酌をしながら気づいたことなのだが、実は、
イセはめっぽう酒が強いのである。
それも半端な強さではない。ひと晩に一升空けても、まだ飲
めるくらいに強い。
遊廓では、客が部屋に入ると、お決まりとして、酒と料理膳
がつけられた。
これが一膳につき３円５０銭で、そのうち１円はその娼妓の
とりぶんとなった。
だから、酒を追加するたびに、売り上げはふえていく。
また、イセの豪快な飲みっぷりに、客もおもしろがって、さ
らに杯を重ね、気がつくと、客のほうが酔っぱらって、朝ま
で泥酔ということもあった。
してやったり。イセは、いやな想いをせずにすんだと、小躍
りした。
お客のほうも、酔いつぶれたのは自分のほうだから、イセを
責めるわけにもいかず、苦笑いをして帰っていく。
とはいえ、そんな調子で飲みつづければ、いかに頑丈なイセ
といえど、からだをこわしてしまう。
そのため、ある程度飲むと、厠に行くと称して席を外し、飲
んだ酒をこっそり吐くのである。
そんなことを繰り返し、店に出ること数か月。ついに、イセ
の売り上げは、金松楼が囲う１４人の娼妓のトップとなった。
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「濤沸湖放牧」
※一般社団法人網走市観光協会さまご提供
