語り劇『零(zero)に立つ
〜激動の一世紀を生きた中川イセの物語〜』
日時/2016年8月27日(土)18:00開演
会場/シベールアリーナ(客席数522)
観劇料/3000円(当日3500円)
チケット発売開始は、6月20日!
本日、公演84日前!
脚本担当・かめおかゆみこです。
土日祝日は、連載はお休みさせていただいています。
第1章 1 2 3 4 第2章 5 6 7 8 9 10
「最近この連載を読むのがとても楽しみです」
こんな感想を、フェイスブックでいただきました。うれしいですね〜♪
おかげさまで、毎日少しずつですが、アクセスが伸びています。また、
新しい記事だけでなく、前の記事を読んでくださっているかたもいらっ
しゃるようです。本当にはげみになります。ありがたいことです。
さて。昨日で10回めを書きましたが、イセさんは何しろ105歳まで
生きられたかた。ところが、これまでに出版された著作は、戦後、議員
になられたところで終わっているので、私もその先はよく知りません。
だから、この連載も、後半生についてはあまり詳しくは書けないと思う
のですが、それでも、全体ではかなりの分量になりそうです。
そこで、途中から読みはじめられて、その前のぶんを読む時間のないか
たにも、この物語を理解していただけるように、
毎週土曜日は、それまで書いてきたぶんのあらすじを紹介していくように
したいと思います。
というわけで、昨日ぶんまでのあらすじです。
★第1章★ いせよ誕生
明治34年(1901年)、今野安蔵・サダの娘として、いせよ(のちの中川
イセ)誕生。サダは、産後の肥立ちが悪く、死を予感。ヤクザものの安蔵に
あとを託すことを怖れ、佐藤コウに里親になってくれるよう頼む。サダは、
イセが2歳になるのを待たず死去した。
★第2章★ 差別と貧しさのなかで(2016.6.3ぶんまで)
安蔵は育て賃を拒否したが、イセは佐藤家の里子になることができた。
佐藤家は貧しく、イセはまわりから、「里子だ」「貧乏人の子」だといじ
められるが、コウの愛情、親友になった渡辺みよしの存在、そして負けず
嫌いの性格で、それをはね返していき、小学校でも頭角をあらわしていく。
毎日、フェイスブックで、記事の更新のお知らせをしているのですが、
私が、イセさんの、この負けず嫌いの性格について、「生来のものではな
いか」と書いたところ、演者の夢実子さんが、こんなコメントを…。
『荒谷風土記』原著 村形貞英・監修 新関孝夫の中に
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「荒谷の自然を相手に、逆境に負けずに、とにかく頑張ることだと自らに
言い聞かせ、働きに働いた。その力を内に蓄え、練り、養い、磨いた。
その力が外に出る時は、自信と余裕になり、俺は勝てる、勝てるのだとい
う生き方が自然と身についてきた」と実感し、暮らしてきた。
これを先人は『荒谷魂』と呼んだ。
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と、ありました。イセさんは2歳から小学校4年まで荒谷に住みました。
なので、イセさんにも『荒谷魂』が培われていったのではないのかな。
「荒谷魂」。(同じ天童市荒谷に住む)私にも流れているのかな。
イセさんを演じる夢実子さんが、イセさんと同じ荒谷地区に住み、同じ空
気を呼吸しているというのは、おおきな意味をもっていると思います。
このことは、たとえば、その前の日の夢実子さんと私の、フェイスブック
でのやりとりにもあらわれています。
夢実子 イセさんが里子に出された佐藤家は、私が中学校へ通って
いた道のとおりに今もあります。「あ〜あそこの道をイセさんも歩いたん
だな〜」と、ひとり感慨深い気持ちになります。
かめおか 昨年は、夢実子さんに、荒谷小学校にもご案内いただきまし
た。やはり、実際の場所を知ると、イメージがふくらみますね。
夢実子 そうですね。私も、かめおかさんが「能取岬」につれていってくれ
たおかげで、肌で感じたものを舞台に載せることができたと感じています。
こんなやりとりのなかでも、作品にたいする理解が深まり、また、寄せる
想いも強まっていくのではないかな、と感じる今日このごろなのです。
★これまでの関連記事
・同じ時代に、同じ空気を呼吸して…
・網走刑務所にまつわる記憶とイセさん
・物語版「零(zero)に立つ」の連載をはじめて
・能取岬のもつきびしさとゆたかさ
※網走・メルヘンの丘

